【物流2024問題】これまでより安く宅配便を届ける「エコ配」が拡大中。ピックゴーとコラボの理由は?

ジャパンモビリティショービズウィーク2024では、スタートアップ企業と自動車関連企業とのマッチングをサポートするビジネスマッチングプログラムが目玉の催しとして用意されていた。

会場内にはスタートアップ企業を集めたエリアのブースがあり、その近くには日本自動車部品工業会の会員企業のブースのエリア、そしてマッチングエリアという、スタートアップと自動車関連企業が商談を行うエリアも広く取られていた。オンライン上でマッチングを図るコミュニケーションツールのミートアップボックスでこのマッチングエリアの予約なども行えたそうだ。そのミートアップボックスの登録件数は1800件以上に上り、マッチング成約件数も848件とまずまずの成功を収めたようだ。

そんなスタートアップのなかには当然、物流関係の業種も少なくない。小さなブースをひとつひとつ回っていくとエコ配という幟が目についた。「大手宅配の半額で全国配送」というキャッチコピーに引き寄せられて、話を聞いてみることにした。

このエコ配、チャーター配送・宅配のピックゴーと一緒に出展していた。ピックゴーは日経系のTV番組でも取り上げられたことがあるチャーター便のマッチングサービスで、アプリを使って個人事業主のドライバーに配送の依頼が届き、荷物を受け取って届ければ仕事が完了するという、ドライバーにとっても稼ぎやすいシステムだ。

荷主にとっては急な荷物の配送や付帯作業にも対応するなど、使い勝手の良さで規模を拡大してきた配送サービスである。

ピックゴーを運営するCBクラウドという企業は物流DXを実現するシステム開発のスマリューという商品も展開しており、エコ配もこのスマリューを利用しているため、共同ブースでの出展となったそうだ。

エコ配は大手宅配会社と比べておよそ半額の送料を実現している宅配便。安さの秘密はDX化に加えて小荷物に特化することで配送拠点や中継基地、配送車両をコンパクトにすることができるから。

さらに人口密度の高い東名阪エリアに地域を限定している。また密集している地域では自転車でリアカーを引きながら配送することにより燃料コストを削減するだけでなくカーボンオフセットにより、トラック輸送分も相殺することでCO2の排出量を実質的にゼロにできるのだとか。

現在のところ、集荷はアプリで対応できるのは一部の地域に限られるなど、まだまだ利用地域は限定的ではある。届けやすい荷物を届けやすいところだけに特化しているため、低コストでの運営を実現しているが、今後は取扱量が増えてくれば、再配達の量も増えるなど収益を圧迫する要素が色々あるだけに、今後の成長戦略も気になるところだ。

ジャパンモビリティショービズウィーク2024の来場者数は発表されていないが、セミナーやマッチング成約率、スタートアップブースの人気ぶりを見れば、このイベントはかなりの成功を収めたと言っていいだろう。従来のモーターショーのような、ニューモデルやコンセプトカーを眺めて楽しむイベントではないのだから、来場者数は問題ではないのである。

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