

国内の公道を走る車輌に取り付けられているナンバープレート。長方形の横型で、地名(住所地や車庫などといった、当該車輌使用の本拠を管轄する運輸支局・自動車検査登録事務所所在地のほか、ご当地ナンバーがある)・平仮名・数字(アルファベットが組み合わされている場合もある)が記載されているものだ。
正式には「自動車登録番号表」と呼ばれ、道路運送車輌法によって車輌に掲出が義務付けられている。例外とされるのは、自衛隊車輌・御料車・外交官車輌だ(別途定められた標識の掲示が必要)。
ナンバープレートの表記は車検証にある記載事項と紐づいており、所有者・使用者などの情報までわかるようになっている。かつては、比較的簡単にこれらの情報を取得できた。もともと、車輌所有者を特定する目的で制度化されているので、今日の個人情報保護といった考え方と運用面で難しさが指摘されている。
トラックの場合、多くはプレートが緑色で文字は白色のナンバープレート(緑ナンバー)を付けている。軽トラックでこれに相当するのは、黒色ベースに黄色の文字(黒ナンバー)だ。
まれに、多くの乗用車と同じような白地に緑文字(軽トラックの場合は黄色地に黒文字、黄色ナンバー)を付けているものもある。同じトラックでありながら、どうしてナンバープレートの色に違いが出るのであろうか。

結論から言えば、緑ナンバー(黒ナンバー)は事業用自動車に取り付けるものだ。事業用自動車とは、旅客や貨物を運送し商業的行為を行う車輌のことを指している。言い換えれば、荷物や人を乗せて報酬を得る事業のための車輌ということである。運送事業に使用されるトラックが、これにあたるわけだ。
ゆえに、報酬を得ずに荷物を運ぶ場合は自家用自動車に分類されるので、白ナンバー(黄色ナンバー)が交付される。具体的には、自社の製品を社員が運搬する場合や、自分が育てた農作物を運ぶなどといった場合がそれにあたる。
要するに、緑ナンバー(黒ナンバー)を付けているトラックを運転しているドライバーは、運搬のプロフェッショナルということだ。それだけに、彼らが付ける緑ナンバー(黒ナンバー)は、白ナンバー(黄色ナンバー)に比べて手に入れるのは簡単ではない。このナンバーの取得を希望する事業者は、
・事業所に5台以上の車輌5名以上のドライバーを保持している
・事業所を設置している立地が適切である
・事業資金が十分にある
・運行管理者がいる
・ドライバー全員が社会保険に加入している
などといった条件を満たした上で審査を受け、許可を得なければならないのだ。
緑ナンバー(黒ナンバー)は事業用自動車であるために、かかる税金の額も違ってくる。対象になるのは自動車重量税と自動車税で、白ナンバー(黄色ナンバー)車よりも低くなる(車輌総重量や積載量によって金額に違いがある)。ただ、自動車保険は使用頻度から事故リスクが上がるので、高くなる場合がほとんどだ。
同様に、車検や点検整備も頻度が上がる。こうしてみると一長一短のようだが、緑ナンバー(黒ナンバー)はユーザーに安全・安心を提供する証明のようなものだから、これを付けているトラックドライバーが業務に誇りを持って臨んでいることは間違いない。
