トラックによる煽り運転は会社存続の危機。SNS時代の運転術を学ばないとヤバい!

トラックドライバーによる煽り運転が報道によって拡散されるケースが増えている。トラックに限ったことではないのだが、乗用車と比べて車体が大きくフロントにボンネットがないため、同じ車間距離では近付いて見えることも原因だが、一般のドライバーにはそんなに細かく判断がつくわけではないから、ちょっと近付いていただけで煽り運転の嫌疑が掛けられる可能性がある。

理不尽なものもあるのだろうが、SNSやYouTubeには毎日のように煽り運転や危険運転の動画が上げられている。渋滞や合流で幅寄せするトラックを乗用車から撮影したり、走行中に危ない動きを見せるトラックの走りが投稿されている。

極め付けは先日の首都高速2車線を堰き止めての後続車への暴行事件だ。殴っていなくても、ガラスを叩いたりドアを蹴ったりすれば暴行罪が成立することを知っている人は意外と少ない。

殴ったら傷害罪であるし、トラックの場合は幅寄せだけでも暴行罪が成立する可能性がある(バイク相手では確実に成立する)。当たらなければいいだろう、と安易な気持ちで幅寄せすると、後続車や対向車のドライブレコーダーに記録され、妨害運転罪や暴行罪で検挙されることになる。

そもそもプロドライバーは運転に関しての責任が、一般ドライバーよりも重くされている。重大な交通事故などを起こせば会社の営業停止処分などが下されることもあるし、荷主も安心して仕事を依頼できないとなれば、取り引きを終了されることにもなりかねない。

事故を起こさなくても、危険な運転をしたことで周囲のドライバーが恐怖や怒りを感じれば、その運転ぶりをドライブレコーダーやスマホに保存し、SNSに公開されてしまうこともある。それが話題となれば警察や国交省も動かざるを得なくなり、従来なら見逃されていた行為も検挙へと発展することが増えてきた。

煽り運転は前方、あるいは後方、側方のクルマに対し、クラクションやパッシング、左右に揺さぶっての走行、車間距離を取らない、前で必要なく急ブレーキをかける、車両を停車させるなどの行為だ。妨害運転罪が施行されてからは、これらの行為を行なうと即座に免許取消し、内容によっては免許を取得できない欠格期間が2年以上になることもある。

車間距離に余裕をもって走行していると、乗用車が割り込んできてそれによって車間距離が縮まってしまう状態になってしまうこともある。それでもトラックは減速して割り込んできた乗用車と車間距離を取らなければ煽り運転と誤認識されてしまう可能性すらある。

ただでさえ到着時間や休憩時間など時間を気にして運転を続けなければならないというだけでもストレスなのに対し、渋滞や合流、割り込みなどでマナーの悪い乗用車に遭遇しても、腹を立てずにやり過ごさねばならないのは、かなりの我慢強さが要求される。

怒りを鎮め堪えるのは大変だが、もし問題になれば自分だけが免停や取り消しになり、会社を追われるだけでは済まないのだ。今一度、冷静になって運転という仕事を見つめ直す必要がある。

トラックドライバーという職業の質が問われている。待遇を改善するチャンスにするか、これまでのイメージを踏襲するのか、ここが分かれ道と言えそうだ。

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