
パレットは、物流にとって無くてはならないものだ。荷物を積んで梱包用のラップ(ストレッチフィルム)で巻いて固定すれば、フォークリフトでいっぺんにたくさん積み下ろしができる。
トラックのエンジンなど大きくて重量のある安定した荷物なら、パレットに載せるだけでフォークリフトで運ぶことができるのもパレットのメリットだろう。
ちなみにパレットには平らな板状のものだけでなく、箱型のコンテナ型やカゴ型などもあり、小さな商品を積み重ねて運べるカゴ台車もパレットの仲間だ。
パレットにはワンウェイ型とリターナブル型に分けられ、さらにサイズや材質などで数多くの種類がある。ワンウェイ型とは輸出品などで回収することを考えていない出荷に使われるもので、いわば使い捨てだ。プラスチック製や木製でも華奢な作りで、ダンボール製もある。
一方、リターナブル型は回収して何度も利用することでコストを低減することができるもの。したがってしっかりとした作りになっている。材質はプラスチックが多いが木製や金属製もある。
リターナブル型は何度も繰り返し使うということは、汚れることになる。使い終わったパレットは屋外に平積みにされることも多く、使っていない間にも埃や汚れが付着することになるのだ。
食品などはもちろん、食品以外の商品でもダンボールが汚れただけでも通常商品として出荷できないものもあるから、最近はパレットの汚れに気を使う荷主企業も増えてきている。
そしてレンタルパレットでも自前のパレットでも、使い続けていれば定期的に洗浄が必要になる。そのためパレットを扱う業者の中には、洗浄するサービスを展開しているところもあるのだ。

シーエスジャパンでは大手のトラック企業などの拠点でプラスチック製パレットの洗浄サービスを行っており、そのために自動でパレットを洗浄するマシンを自社開発した。さらに最近は節水のために水を使わずブラシと風力で汚れを落とす「水を使わないプラパレ洗浄機」を開発中だという。これは国際物流総合展2024のブース内でパネル展示されていた。
「酷い汚れは水を使わなくては落とせませんが、軽い汚れであれば水を使わず節電にもなるので、業種によって使い分けができると考えています」と同社の説明員は教えてくれた。
そして洗浄機メーカーのクレオもパレット洗浄機を出展していた。同社はオリコン(折りたたみコンテナボックス)の洗浄機から発展した洗浄機の専門メーカー。リースやレンタルのパレットを展開する企業に同社のパレット洗浄機は利用されているそうだ。


プラスチック製のパレットでもリターナブル型は耐久性や強度に優れているが、表面は柔らかく摩擦によって傷付きやすいため、傷から汚れが付着しやすくなる。しかし幾度も使われ傷ついても、壊れるまでは使われるので、定期的な洗浄によりある程度の清潔感を保つことも必要なのである。

何気なく使われていると思うパレットでも、実際には管理やメンテナンスを受けているのであった。