屋根に注目!エアデフレクターとは?

トラックのキャビン(運転席)の上に備え付けられている重要なパーツのことをご存知でしょうか? 何気なく見ているだけだとあまり気にならないパーツではあるのですが、実はトラックにとって重要な役割を持っているあるものが付いています。そのあるものとは「エアデフレクター」です。

エアデフレクターは「導風板」または「風防」とも呼ばれるパーツで、形や大きさは様々ですが、主にアルミバンやウイング車のような、荷台が箱型で高さのあるトラックに取り付けられています。

トラックを観察すると運転席の屋根の高さと、荷台の高さは同じではなく段差があることがわかります。この段差は走行時に強い空気抵抗となるのです。そこで、この空気抵抗を減らすために取り付けられるのがエアデフレクターというわけです。

エアデフレクターによって空気抵抗が軽減することにより、燃費効率が向上するというメリットがあります。これは移動速度が高いほど効果があるため、高速道路などではエアデフレクターの効果が高いといえます。

さらに車高の高いトラックは、風の影響を受けやすく、高速道路や風の通り道となる橋の上では車体が不安定になり、ふらつくことがあります。そんな状況でもエアデフレクターが取り付けられていると正面からの空気抵抗を軽減できるため、安定性を向上させることができます。ふらつきはときにトラックの横転事故の原因ともなるため、エアデフレクターは安全にも役立っているパーツなのです。

エアデフレクターがもたらす効果はままあります。先ほど空気抵抗の低減と言う話をしましたが、それにともなって速度を上げれば上げるほど強くなる風切り音も抑えることができるのです。風切音が強くなると、車外から入ってくる音が聞こえにくくなり、運転時の判断材料が減ってしまいます。

さらに雨の日にはフロントガラスに水が流れないように、エアデフレクターで雨水の経路を作るものもあるのです。

最後にエアデフレクターの種類を説明しましょう。可変式タイプのエアデフレクターは角度を変えて、効果を調整することができます。固定式タイプは、大きさや角度が固定されていて、運転席の屋根の部分を広く覆うタイプが主流となっています。屋根の形状や大きさに合わせるために車種別で設定されていることが多いのです。

ボードタイプは一枚の板を全面にだけ取りつけるため価格は安くなります。固定式、可変式左右の側面はカバーされていない部分がある製品もあります。。

こうしたエアデフレクターは走行中、つねに雨風にさらされるパーツのため、耐久性と防錆素材が求められます。さらに軽いほど燃費も向上するためFRPやと合成樹脂などが素材として使われています。

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