
トラックの種類のなかには「オバケ4トン」と呼ばれるものがあります。これは、4トントラックに分類される規格のトラックでありながら、荷台がとても長く、大型トラックと同じ程度のサイズを持つトラックのことです。
このオバケというネーミングが付けられている理由は「オバケみたいな大きさの4トントラック」であるからです。つまり4トントラックであるにも関わらず、その見た目が大型トラックであることから(オバケみたいな)というのがルーツでしょう。

しかし、いくら大きさが大型トラック並みとは言え、法定範囲内で製作されているのがオバケ4トンです。たしかに見た目は大きいのですが全長12m、全幅2.5m、全高3.8m以内に収められています。もちろん車体総重量は8トン未満、最大積載量は5トン未満となっており、法律上は4トントラックで間違いありません。
ということは、いくら見た目がオバケでも4トントラックなので中型免許、もしくは8トン限定中型免許でも運転できるということです。そのため、運転できる人が増えることや、中型免許しかなくても、規定範囲内の重さで大型トラック並みの荷物を運べるいった利点があります。


このことからオバケ4トントラックは基本的に「軽いもの」「かさばるもの」がメインだということがお分かりいただけるでしょう。紙製品(ティッシュや紙おむつ)や菓子類、発泡スチロールなどと軽くて場所を取るものを運ぶという事に関しては、非常にコストパフォーマンスに優れるトラックなのです。
逆に、大型トラックのような大きな荷台を持っているものの、基本的に最大積載量は5トン未満の設計に作られているため、重い荷物を積むことはできません。あまりにも重い荷物を積んでしまうとタイヤのバーストなどのリスクが生まれてしまいます。
さらにオバケ4トンの維持費は大型トラックよりも安いこともメリットのひとつです。
逆にオバケ4トンのデメリットも紹介しましょう。大きなボディは特徴でありメリットですが、その全長は、最大12mになってしまいます。そのため運転するには技術が必要であり、一番の問題点は、リアのオーバーハング問題です。
リアオーバーハングとは、リアホイールからはみ出た後部分のことで、交差点などで曲がる際に外側にはみ出してしまうのです。このはみ出す部分が多いため、対向車や歩道を歩いている方などにぶつかると大きな事故になってしまうので注意が必要です。
また、荷台が長いにもかかわらず軽い荷物を運ぶため、横風に弱いと言う一面があります。
特に高速道路などは、横風が強い区間もあるので、そこを通るときは注意が必要です。さらに短いホイールベースは小回りが利くものの安定性が落ちるなどもデメリットとして挙げられます。
とは言っても最近のオバケ4トンはホイールベースがかなり長くなり、過去の車輌とは比べ物にならないくらい、バランスがよいものが増えています。これまでオバケ4トンは運転が難しいと言われてきましたが、技術の進歩によりそれも過去のことになってきているようです。