
パレットは物流に欠かせないアイテムだということを、過去に当サイトでも取り上げましたが、パレットにはまだまだ奥深い世界があるんです。そこで今回はパレットに積まれた荷物にスポットを当てたいと思います。
パレットの上には荷物が積まれるのは当然ですが、この荷物はただパレットに乗せられているだけじゃないんです。では、荷物はどんなふうに積まれているのでしょうか。
例えば、異なるサイズの荷物をパレタイズする場合は重くて硬い荷物を下に置くことが基本です。軽くて柔らかい荷物を下に置くと、上からの重さで下の荷物がつぶれてしまい、荷崩れを起こす可能性があるからです。
しかし、上に乗る荷物が軽すぎる場合は強風や横揺れで落下する可能性が考えられる場合は、最後に軽い箱がつぶれない程度の重さの荷物を一番上に置くことで、重しの代わりにすることもあるのです。また、荷物がきれいに重なっていなかったり、パレットから荷物が飛び出しているオーバーハングも全体のバランスが崩れて荷崩れの原因となるので避けなければなりません。
その対策として、ストレッチフィルムと呼ばれるポリエチレン樹脂などでできた梱包用フィルムを使い、パレット上の荷物を巻くことで、商品の荷崩れ防止や荷物の破損を防げるアイテムを使うこともあります。


このように荷崩れが起きないようにするために注意点はいくつかありますが、荷物の積み方自体にも様々な方法があるので紹介しましょう。
ブロック積み
ブロック積みとは荷物をブロックのように並べて積み上げる積み方で「平積み」とも呼ばれます。積み方が単純で早く積むことができ、パレットから取り出す際にも縦にまとめて荷物を取り出すことができるため、作業効率が上がります。その一方で横向きの力に弱く、少しの振動でも荷崩れしてしまう可能性があります。
交互列積み

ブロック積みを一段ずつ90度向きを変えて積む方法です。横向きの力に比較的強く、荷崩れしにくいのがメリットですが、互い違いにしたときに荷物の大きさによって縦、横の長さが合わないと使えないため、1段に並べたときの全体の形が正方形になるような限られた荷物でしか使えないというデメリットがあります。
ピンホール積み(風車形積み)

ピンホール積みとは荷物を風車の形のように縦横に組み合わせた積み方です。風車型積み付けとも言います。1段ずつ向きを反転させるので横向きの力が加わっても安定します。
ピンホール積みは中央に隙間ができてしまうことからパレット上の積載率が下がってしまうのがデメリットです。
レンガ積み

レンガ積みとは1段で縦横方向に向きを変えて積む方法で、各段で180度ずつ向きを変えて積み上げます。上から見たときに全体が長方形の形になることが多いので、カゴ車に積み込みをする際に使用されることが多いと言えます。
窓積み

レンガ積みの横向きの部分を2列に増やしたのが窓積みです。各段で180度向きを変えて互い違いに重ねるため、荷物の短辺の部分が少なくとも一方は外側から見えるため、検品がしやすい方法です。
このほか「ダブルピンホール積み」や「スプリット積み」など、たくさんの積み方があります。「荷物はただパレットに乗っているだけ」ではないことがおわかりいただけるでしょう。どこかでパレット上の荷物を見かけたら、どんな積み方をしているかを観察してみるのも面白いかもしれません。
