
トラックの後部には色々なパーツや表示が記載されている。ナンバープレートをはじめとして、最大積載量や反射板、ブレーキランプもあれば「危」や「毒」、「高圧ガス」と表記したマークなど、そのトラックの正体を知ることができる。
そんななか、圧倒的な存在感を持ちながら、あまり気にされない模様がある。それは赤と黄色の縞模様だ。普段、なにげなく見ているはずなのだが、その意味を聞かれるとよくわかないデザインのアレ。その名も「大型後部反射器」だ。
この大型後部反射器は車輌総重量が7トンを超えるトラックの後部に取り付けられ、赤色と黄色の縞模様(ゼブラ型)と、中が黄色で縁が赤色に囲われた額縁型の2種類がある。この大型後部反射器は対象となる車輌への装着が法令によって義務付けられているため、取り外すことはできない。また、トラックの種類によって取り付け要件が決まっており、取り付ける位置や向きなども細かく規定されているものだ。

大型後部反射器は、トラックの種類に合わせて柄が決まっていて、トラック・トラクタ用はゼブラ型(縞模様)、トレーラー(被牽引車)は額縁型となっているので、2種類のデザインがあるわけだ。
「そう言われれば、そんな模様のものが付いていたかもしれないな」と思い高速のサービスエリアに停まっているトラックの後部をあらためて眺めてみると、ずらっと並ぶ大型後部反射器の群れ。いままでは気が付かなかった光景だった。
この大型後部反射器は大型のリフレクター(反射板)でテールランプが点灯していなくても、他車のヘッドライトの光を反射させることで、存在を周りに知らせる役割を持っている。
大型後部反射器の個数は1個、2個または4個と規定されているため、分割する場合は、2個または4個としなければならないという規定もある。その場合、すべての大型後部反射器の面積の合計が規定の数値を越えている必要があるため、取り付け時の大きさ要件を満たすスペースがない場合、分割することが可能なのだ。

ちなみに、大型後部反射板の詳細は以下のとおりだ。
・トラック・トラクタは赤色と黄色の縞模様。
一辺の長さが130mm以上(幅は130mm以上150mm以下)の長方形で、長さの合計が1,130mm以上2,300mm以下。黄色と赤色からなる45±5°の角度を持った縞模様。それぞれ色の幅が100±2.5mm。
・トレーラー(被牽引車)は赤色と黄色の額縁型
一辺の長さが130mm以上(幅は195mm以上230mm以下)の長方形で、長さの合計が1,130mm以上2,300mm以下。中が黄色、縁が赤色で囲われた額縁型。赤色の縁の幅は40±2.5mm。


設置位置と性能はトラックもトレーラーも同じで、それぞれ設置位置は反射板の上縁の高さが1.5m以下、下縁の高さが0.25m以上、性能は昼間においてその後方150mの位置からその赤色部を確認できるものとなっている。
さら複数の大型後部反射器を取り付ける場合は左右対象でなければならず、模様の向きが八の字になるように取り付ける必要があるため、左右反対に取り付けてしまい柄がVの字になったものは保安基準違反となる。
視界には入っているのに、その意味を知らない人が多い大型後部反射板。トラックが並んでいる場所で、その到着方法や種類を観察してみるもの面白いかもしれない。
