秘密組織? そんなことはありません「トラック・物流Gメン」

なにやら怪しげな名前がついているトラック・物流Gメン。いったいどんな組織なのでしょうか?

そもそもトラック・物流Gメンとは、2024年問題と呼ばれるトラック運転手の残業規制強化による人手不足の懸念から、国土交通省が2023年7月21日にスタートした取り組みのなかで、適正運賃の収受や労働環境の改善を実現し、2024年問題(働き方改革関連法によって2024年4月1日以降、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されることによって発生する問題の総称)の解決を目指すため国土交通省が創設した専門部隊のことです。

これは発荷主企業だけでなく、着荷主企業も含め、適正な取引を阻害する疑いのある行為への監視を強化する目的があるのです。

ちょっとわかりにくい表現となってしまったので要約すると、トラックドライバーが不足するなかで、違反原因行為の疑いのある荷主や元請事業者に対して、貨物自動車運送事業法に基づいて働きかけや要請を行う組織と言うことです。そして実際には、こんな違反行為が挙げられます。

「恒常的に長い荷待ち時間」「無理な到着時間の設定」「過積載になるような依頼・依頼にない附帯業務」「運賃・料金の不当な据置き」「ドライバーの拘束時間超過」「異常気象時の運行指示」など……。

これらの内容からすると、これまで実際に現場で運送を担う事業者は、荷主に対して立場的に弱く、無理を言われても依頼を断れないという一面もあったのではないでしょうか。そこで、運送事業者がリスクを背負って仕事をすることがないように見張りとしての役目を持っているのです。

その具体的な活動ですが、トラック・物流Gメンは、プッシュ型情報収集(発信者が一方的に情報を提供する情報収集の方式)を行なうことを活動上の基本方針としています。全国約6万といわれる運送事業者を対象に、トラック・物流Gメンのメンバー自らが、電話・あるいは訪問をするなどして情報収集を行なっています。

さらに、違反原因行為が有るか無いか、集めた情報の精査のため、当該現場(荷主の事業所や荷捌き場など)に出向き直接の確認などもしているのです。

その結果、違反原因行為をしている荷主・元請事業者は、貨物自動車運送事業法に基づく「働きかけ」「要請」の対象となり「要請」があっても改善が見られなかった場合には、「勧告」「公表(社名の公表)」とさらに重い措置がとられることになります。

万が一上記のような悪質な荷主等に遭遇してしまったときは通報窓口や目安箱が設置されており、回答期限なしで投稿や報告をすることができるのです。

(目安箱)https://www.mlit.go.jp/jidosha/yusou-jittai/index.html

(相談窓口)https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001755125.pdf

(国土交通省HP)https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk4_000116.html

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