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回送業務という仕事があるのをご存知でしょうか? インターネットで「ドライバー」などのキーワードで検索すると、一般的なトラックドライバーの募集のほかに回送ドライバーという仕事が見つかるはずです。ではこの回送ドライバーとはどんな仕事なのでしょうか。
まずは回送という仕事ですが、簡単に説明すると自動車や重機を目的地まで運ぶのが仕事です。しかし、ひとくちに回送ドライバーと言っても、その扱う車種や内容は様々です。
個人所有の普通自動車を引っ越し先まで運ぶ回送もあれば、港湾敷地内で輸出用の自動車を船の前まで運ぶのも回送の一種です。なかでも一番身近なのはレンタカーの回送かも知れません。これはレンタカーを他の営業所で使えるように、事前に移動させるのです。そして回送のなかにはトラックを扱う仕事も少なくありません。もちろん運転手が所有する免許の種類によっても回送の仕事ができるジャンルが変わってきます。
大型免許や牽引免許を所有していれば、それだけ回送の仕事を選ぶときに自由度が高まります。しかし、普通免許であっても所有する免許の条件内でトラック回送の仕事に就くことは可能です。
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そこでトラックの回送、特に建設関連のトラックの回送についてお話していきましょう。求人サイトのトラック回送業務募集内で「中型免許 限定可」などと書いてある場合は、普通免許でもトラック回送に応募できます。
そこで扱うのは免許条件内で運転することができるトラックになりますが、普通免許の中型8トン限定を例に挙げて説明しましょう。
平成19年6月2日の道路交通法改正以前に取得した普通免許であれば、8トン限定中型免許となり、車輌総重量8トン未満・最大積載量5トン未満・乗車定員10人以下の自動車を運転することができます。その範囲内において工事現場で使う車輌を目的地まで運ぶのが工事現場に対応するトラック回送業務です。
例えば、高所作業車や荷物を運搬する平ボディをレンタル店から工事現場まで回送し、一件の回送が終わったら、また次の現場へ移動して同じような回送業務を行うのが流れです。
このときに扱う車輌は様々ですが、工事現場で使う作業用のトラックであることがほとんどで乗用車などは回送しません。また、普通ではなかなか乗る機会のない高所作業車を回送する機会は少なくありません。
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こうした作業用トラックはレンタカーであることが多く、工事現場に停めてある作業車をみると「わ」ナンバーが多いことに気が付くでしょう。なんだ、簡単な仕事だなと思われる人もいるかもしれませんが、じつはそうでもありません。
まず、最初に回送するトラックの置き場所までは当然、バスや電車などを使って移動します。そこから目的地までは、トラックに乗り運転していきますが、そこで乗ってきたトラックを渡してしまうので、次のトラックをピックアップする場所までは、バス、電車、徒歩などの自力で移動となります。このとき、駅やバス停が近くにあればいいのですが、工事現場は往々にして開発前のエリアであり、けっこうな距離を徒歩で移動して駅やバス停に向かう可能性があります。
また回送業を扱う業者にもよりますが、移動間の交通費はトラックの燃料費や高速代以外はドライバーの自腹と言うケースも少なくありません。また大きな作業現場への回送を行なう場合はヘルメットや安全靴の装備が必須で、こちらもドライバーが買って用意するという場合もあります。
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もちろん回送業務は移動距離や回送した台数によって給料が変わることもあるため、単純にトラックを運転するだけで稼げる仕事、というわけにはいかないのです。
そうはいっても、運転が好き。いろいろなトラックに乗ってみたい、ひとりで仕事をしたいというなら、トラックの回送業務はうってつけです。普段乗れないようなトラックを運転して、見知らぬ土地へ向かうのが楽しいと言う人も多いようです。
長距離のトラックドライバーはちょっと難しい、大型免許がない、重い荷物の積み下ろしはやりたくない、だけどトラックドライバーをやってみたいと思うなら、トラック回送を選ぶのは大いにアリなのです。