黒くて丸いだけじゃないんです トラックタイヤあれこれ

いつも何となく見ているタイヤですが、じつは色々な種類やパターンがあるんです。一般的にはノーマルタイヤ(夏用)やスタッドレスタイヤなどですが、その構造やパターンは目的によって使い分けられています。まずはタイヤの種類から説明しましょう。

チューブタイヤ

タイヤ内部に空気を入れるチューブが入っており、ひと昔前のトラックのタイヤと言えば、このチューブタイヤが主流でした。超大型車輌でもチューブの空気圧でトラックの重量を支えることができる、チューブが損傷していなければタイヤやホイールが破損しても走行できる、空気圧を下げれば衝撃を和らぎ悪路も走行可能などのメリットがありますが、今はチューブレスタイヤが主流へと変化しました。

チューブレスタイヤ

タイヤのなかに空気を入れるチューブがないかわりに、タイヤ内面にインナーライナーというゴムシートが貼り付けられ、空気が漏れない仕組みです。特徴はパンクしていても空気が抜けにくい、熱効果が高いので、摩擦熱を抑えられる、チューブレスなのでチューブ点検や交換のメンテナンスが不要ということです、

バイアスタイヤ

カーカス(タイヤの骨格)を斜めに配置させ、ねじれの発生を防止するために互い違いに逆方向にカーカスを重ね、ブレーカー(補強コード層)で締めつけた構造です。同じ斜め方向ではねじれが発生するため、互い違いに逆方向に重ね、それをブレーカーで締め付けた構造になっています。メリットは乗り心地がいいというほか、高荷重に耐えられるため20トントラックのような大型トラックなどにはバイアスタイヤが使われていることもあります。

ラジアルタイヤ

カーカス(タイヤの骨格)がタイヤ中心から放射状に配置され、それをベルトで締めつけた構造です。グリップが良く、操縦性に優れている。路面抵抗が少なく、燃費に優れている。タイヤの発熱が少ないなどの特徴があります。現在はこのラジアルタイヤが主流になっています。

さて、タイヤの構造的な種類の次はパターンの違いです。タイヤ表面に刻まれた模様(溝)にも違いがあり、様々な用途があります。

リブ型

舗装道の走行に最も適したパターン。ギザギザ模様がタイヤの縦方向に入っているタイプで撥水性に優れ、直進走行の安定性も高いため、トラックやバス、乗用車まで、幅広い種類の車に使用されています。

ラグ型

悪路走行に適したパターン。タイヤには左右横方向に溝模様が深く刻んであります。駆動力・制動力が強く、けん引力にも優れているので、非舗装路での走行に最適です。トラックやバスから、農耕車輌、建設車輌などにも使われます。

リブ・ラグ型

良路・悪路両方の走行に適したパターン。タイヤにはリブとラグ、両方の模様が刻まれています。名前のとおりリブ型とラグ型の両性能を兼ねそろえており、汎用性が広いパターンです。タイヤ幅の真ん中にリブ型、左右横端にラグ型の溝が入っています。主に近距離輸送トラックに利用されることが多いパターンです。

ブロック型

雪道や悪路に適したパターンでブロックパターン模様になっています。タイヤ全面がブロックを敷き詰めたような模様になっているため、駆動性や制動性が高く舗装されていない路面や氷雪路、ぬかるんでいる場所でも走ることができます。ブロック型の中には、細かい切り込み(サイピング)の入っているタイプもあります。

スタッドレス型

アイスバーンなど寒冷地に適したパターン。タイヤには細かい切り込み模様がたくさん入っていて排水効果に優れています。アイスバーン上でのブレーキ効果を高め、トラックのスリップ事故の防止につながる冬場には頼もしいパターンです。

タイヤはトラックの重量を支えながら衝撃を吸収してくれる重要なパーツです。さらにタイヤの選び方によってコストや安全性にも関係してくるので、もしドライバー希望であれば知識として知っておくことをオススメします。

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