いろいろな場所でフォークリフトを目にする機会は少なくないが、それを操縦するための免許について知っている人はあまり多くないのではないだろうか。そこで、今回はフォークリフトを運転するための免許について説明していこう。しかし、その前にもっとも重要な事をお伝えしておく。
それは「フォークリフト免許を持っていなくても、建設現場や倉庫内などの私有地であれば無資格で運転しても問題ない」と言うのは大きな間違いだ。私有地であってもフォークリフトは無資格での運転は認められていない。
そこで、必要となるのがフォークリフト免許だ。これは「フォークリフト運転技能講習 登録教習機関」で運転技能講習を受講しテストに合格することで手に入れることができる。
さらに知らない人からすれば意外とも思えるのが、取得できるまでの時間が非常に短いことだろう。現在所持している免許によって多少の差はあるのだが、フォークリフト免許は、最大5日間、最短2日間で取得できるのだ。
そのフォークリフト免許だが、大きく2種類に分けられている。そのひとつが最大荷重1トン未満のフォークリフトのみを運転するためのもので「フォークリフトの特別教育」という講習だけで操作が許可される。この特別教育は、講習機関の講習を受講する、自社内で講習を実施する、Web講座を受講する、という3パターンから選ぶことができる。
この特別教育は学科と実技を合わせて12時間(学科6時間以上と実技6時間以上)なので最短2日で取得が可能だ。また受験資格は満18歳以上であることのみで実務経験や学歴などは関係ない。
一方で最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転するためには、労働安全衛生法に基づく「運転技能講習」の修了が義務づけられている。少し面白いのが、運転技能講習の受講には年齢制限がないものの、運転が認められるのは18歳以上という規則があるので16歳で合格しても18歳になるまで運転はできないということだ。
こちらは各都道府県労働局で登録を受けた登録教習機関でのみ取得する事が可能なのでチェックしてみよう。
【フォークリフトの免許が取れる登録教習機関一覧】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei05.html
1トン以上のフォークリフトを運転するための免許取得までは特別教育よりも細分化されている。しかし、こちらも所持している免許によっては最短2日で免許が手に入る。
以下が所持免許と講習時間の目安なので、興味がある人はチェックしてほしい。免許も実務経験がないケースでも最短5日間で免許の取得が可能だ。さらに受講は連続した5日間以上である必要はなく、自分のスケジュールに合わせて調整が可能なのだ。
■所持免許別 フォークリフト免許の講習時間
・大型特殊免許保持者:講習11時間(平均日数2日)
・普通・大型免許保持及び1t未満フォークリフト3ヶ月以上経験者:講習11時間(平均日数2日)
・免許なし。1t未満フォークリフト6ヶ月以上経験者:講習15時間(平均日数3日)
・普通免許保持者:講習31時間(平均日数5日)
・免許なし、現場経験なし:講習35時間(平均日数5日)
ちなみにだがフォークリフト免許の試験合格率は98%〜99.9%と非常に高い。つまりは物流業界で非常に役に立つ免許でありながら短期間かつ簡単に手に入れることができるのがポイントと言える。これからトラックトドライバー物流業界を目指すなら持っていて損はない資格と言えるだろう。
最後に気になる講習内容をさらっと紹介しておこう。
実技試験では、実際のフォークリフトを操作し、直進・旋回・積み下ろしなどの操作や、安全運転に関する知識の実践が含まれる。実技試験は、100点満点からの減点方式で70点以上が合格となる。
学科試験はフォークリフトに関する法律や安全規定、操作技術などの知識が問われる。合格基準は、各科目の得点が配点の40%以上であり、全科目の得点を60%以上取得できていることとなる。試験の方式はマークシートで問題文の4つの選択肢から正しいものを選ぶ。