トラックの3軸と4軸で何が変わる?

ひとくちにトラックと言っても、軽トラから大型タンクローリーまでその種類は様々。そのなかでも、少しマニアックな「3軸と4軸」という部分に目を向けよう。まずは「軸」とは何かというお話だが、これは左右のタイヤをつなぐ軸(シャフト)のことだ。そして3軸か4軸かを判断する方法はいたってシンプル。トラックを横から見たときにタイヤが3本であれば3軸、4本であれば4軸というわけだ。

ただし、後輪は1本の軸に対して左右2本、合計で4本となっている場合が多いが、あくまでもタイヤが付いている軸が何本かということになるので、タイヤの本数が増えても軸の数はそのままである。そして、大型トラックは主にこの3軸や4軸に分けることができる。

では3軸と4軸、それぞれの特徴はどうだろうか。3軸車は一般的な大型トラックに多いが、一部後輪を小さくしている低床タイプがあるものの、4軸のトラックと比較してタイヤが大きいのが特徴だ。さらに3軸車は「前輪が1軸+後輪が2軸」のタイプと「前輪が2軸+後輪が1軸」の2種類に分かれる。

「前輪1軸+後輪2軸」のタイプは前輪1軸が操舵軸、後輪の前側1軸が駆動輪というシステムが一般的だが、なかには後輪2軸とも駆動輪というパターンも存在する。後輪の2軸とも駆動するものは2デフと呼ばれ、エンジンの動力が後輪2軸に加わるため駆動力が高く、積載重量も多くできるのがメリットだ。

「前輪2軸+後輪1軸」タイプの場合、前輪2軸が操舵軸で、後輪1軸が駆動軸となっている。後輪が1軸のみのため、積載重量は少なくなるが、直進安定性が高く長距離や高速幹線輸送に向いている。こうした3軸車は4軸車とくらべてタイヤが大きく、道路の段差を吸収するなどドライバーへの負担が少ないことも特徴だ。

いっぽうで横から見てタイヤが4つあるトラックが4軸だ。そしてほとんどの4軸車は「前輪2軸が操舵軸+後輪2軸が駆動軸」となっている。さらに4軸車は3軸車よりもタイヤが小さいため荷台の高さが低い設計となっており。荷台の高さが低くなるため。より多くの荷物を運べるのだ。また、低重心で安定性があり横揺れにも強いため、多くの荷物を積んだときに3軸車に比べてバランスを崩すことも少なくなる。

デメリットとしては、タイヤの本数が多く交換費用がかかる、タイヤの径が小さい分、3軸車よりタイヤの消耗が激しく、道路の段差で衝撃を吸収できないなどがある。

とは言え3軸と4軸のどちらが使い勝手が良いかと言えばそれはケースバイケース。タイヤが大きく道路の段差での衝撃を吸収でき、縦揺れに強いためドライバーの負担が少ないため、長距離配送に適した車輌が3軸だ。これに対して4軸車は積載量が多いため、大量の荷物や高さのあるものを運ぶのに適している。重心が低く直進安定性に優れる。

注意して見ないとその違いはよくわからない3軸と4軸だが、それぞれ活躍するフィールドによって使い分けられている。機会があれば高速道路のサービスエリアなどで停車中のトラックをじっくりと眺めて見てほしい。

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