
ガソリンを始めとする液体を輸送するには色々な方法がありますが、まっ先に思いつくのはタンクローリーでしょう。タンクローリーは荷台部分が大きなタンクになっており、液体や気体、粉体などを運ぶ専用のトラックで街中でもよく見かけることができます。ここでは、タンクローリーなどトラックで液体や気体を運搬するには、どんな工夫がなされているのかを具体的に説明していきまましょう。
液体輸送にはいくつかの方法があります。そして、その代表的な輸送方法が「タンクローリーで運ぶ方法」と「液体を容器に詰めて運ぶ方法」です。そして容器を使った液体の輸送に使われるのがドラム缶、ISOタンクコンテナ。IBCコンテナです。
皆さんもご存知の通りドラム缶は、約200Lの液体が入る金属製の缶のことです。ドラム缶は耐火性・耐久性に優れているところがメリットです。また、ドラム缶の大きさや形は国際的にほぼ同じになっているので、どの国でも保管や輸送の作業に差がありません。
次にISOタンクコンテナです。
タンクコンテナとは、液体をバルク輸送(そのままの状態で輸送すること)するための容器です。ISOは国際規格なので、海外輸送にも使用でき大きいものだとドラム缶100本分以上もの容量があるため大量の物質を輸送できます。ステンレスでできており、石油化成品やガス類などの他、水なども輸送できます。タンクコンテナはパレットを使わないのも特徴です。

IBCコンテナは、高密度ポリエチレンでできた液体輸送用のコンテナです。IBCコンテナはドラム缶4本分ほどのスペースでドラム缶5本分の容量があります。フォークリフトを使って積み下ろしができる上に、直方体なのでトラックや海上輸送コンテナにも効率よく積み込みが可能です。

では機体の運搬方法はどうでしょう。例えば水素ですが、水素は地球上で一番軽いガスで、0℃・1気圧では1立方メートルあたりわずか約90グラムしかありません。これを空気と比較すると、同じ体積で約1293グラムもあるので、水素がいかに軽いかわります。
そのため水素をそのまま運ぼうとすると、ものすごく大きなタンクや容器が必要になるため、水素ガスそのものをボンベやタンクに高い圧力で圧縮して詰める方法がとられます。
この時に使われるのが円筒形のチューブが並んだ「チューブトレーラー」です。このチューブトレーラに詰め込む水素の圧力は数百気圧にもなり数百倍に圧縮してあります。

では高圧ガスの輸送を見てみましょう。高圧ガスは主に短距離向けで、工場と利用地が比較的近い場合にはタンクローリーで運ぶことが多いのです。
タンクローリーにLNGと書かれている場合も気体を運んでいる印です。LNGは液化天然ガスのことで-162℃まで冷やすと体積が600分の1の液体に変わります。天然ガスを液化することで体積を小さくすれば、一度にたくさんの量を運ぶことができるのです。
つまりLNGと書かれているタンクローリーには見た目の何百倍と言う容量のガスが積載されているということです。
