トラックのパワーゲートあれこれ

トラックといえば運転席部分のキャビンと後部の荷台部分で構成されたクルマだが、その一番後部に装着されている重要な装備がパワーゲートだ。

パワーゲートは、荷物の積み降ろしを補助するために車輌の後部に取り付けられた昇降装置のことで、油圧または電動式で動作する。重い荷物を荷室から降ろしたり、逆に持ち上げたりするための装置で、このパワーゲートを使っている場面を見る機会は多いだろう。

重量物や大量の荷物をフォークリフトなしでスムーズに積み降ろしできるため、荷物の運搬には欠かせない機能で正式名称は「テールゲートリフター」だ。

そしてこのパワーゲートは、動作と格納方法ごとに4つのタイプに分けられる。

垂直昇降式

垂直昇降式パワーゲートは、地面に対して垂直になっているレールに装着されたプラットホーム(荷台)を上下に動かすことにより、荷物を積み降ろしできる。昇降時にまっすぐ上下に動くため振動が少ないのが特徴のひとつ。バランスのとりにくい荷物を乗せても安定して上下させることができる。大型家具やピアノなど、倒れると危険なものの運搬に威力を発揮してくれる。

スイング式(アーム式)

スイング式パワーゲートとは、荷台の下部分にアームが取り付けられているタイプでアーム式という呼び方もある。

荷台後部の床下に取り付けたアームを動作させ、リフトの部分を動かすが。上下に昇降させるだけでなく、リフトを斜めに傾けて傾斜をつけることも可能なのがアーム式だ。

垂直昇降式と比較すると用途な同じながら、作業中の安定感は少し劣ると言える。このスイング式パワーゲートは小型トラックに取り付けられていることが多い。

このようにパワーゲートは垂直高架式とアーム式の2種類があるのだが、それに加えて格納方法も2種類ある。

そのひとつが格納式だ。格納式パワーゲートは荷台の下にリフト自体を格納できるので、使用しないときには邪魔にならないのが特徴。パワーゲートを使っていないときでも荷台後方の扉を開け締めできるため、集荷場にトラックを直接付けて積み下ろしもできる。また荷室後部に扉がついているタイプのトラックやウィング車にも装着できる。

一方で跳ね上げ式パワーゲートは、バンのようなトラックの後部扉がそのままゲートとして使用できるようになっている。そのほかにも平ボディのアオリ部分がパワーゲートになっている車輌もあり、後部ドアに張り付くように格納できるタイプが跳ね上げ式だ。

跳ね上げ式パワーゲートは、自動販売機などの大型荷物を運ぶのに適しており、プラットフォームの面積が大きいため、大型の荷物を乗せても耐えられる。しかし、跳ね上げ式パワーゲートの弱点として「パワーゲートを使用しないときは扉を開けられない」というのが挙げられる。

パワーゲートの稼働方法が2種類、格納方法が2種類で、前部で4パターンが存在するわけだが、それぞれに長所があるため、用途によって使い分けることができる。ぜひトラックの後部を眺める機会がある時はパワーゲートの種類を気にして見て欲しい。

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