なぜ車内にエアガンが? エアタンクとエアガンを使いこなす

トラックの車内にエアガンが!? とはいってもあのピストルの形をした玩具のことではなく、ここでいうエアガンは空気の圧力を利用して、粉体や切り粉、粒体などを吹き飛ばしたり、吸引したりする工具のこと。この工具であるエアガンを車内で使っているドライバーは意外と多いと言うお話です。

ではなぜエアガンを車内で使うのかといえば、ズバリ清掃に便利だからだ。先ほど説明したとおり、エアガンは空気の力を利用することで、軽いものなら吹き飛ばすことができる。そして、この仕組みを使って車内のゴミやほこりを吹き飛ばすことで、簡単に掃除ができるといわけだ。

ではここで少しトラックのエアガンについて説明しておこう。

トラックには空気を溜めておくエアタンクというものが装備されており、トラックの種類にもよるが大きく分けて、エアブレーキ、エアサスペンション(車高調整)、トランスミッション(変速機)用の3種類に使用される装置となっている。

簡単にそれぞれのエアタンクが持つ役目を解説すると、エアブレーキ用は圧縮した空気を利用し、大きな制御力を生み出すために使われる。またエアの力でエアサス装着車輌の車高を変えるときや、トランスミッションのギア切り替え時にもエアが使われるため、複数のエアタンクが必要となる。

では、エアタンクとエアガンをどうつなげているかということになるのだが、これは単純にエアタンクとエアガンをホースでつなげるだけだ。ただ、車外にあるエアタンクからホースを引く場合、室内への取り回しに手間がかかる。

そこで、どこかの頭が良い人が考案したのが、外付けのエアタンクではない場所からホースを伸ばすと言う方法だ。そしてトラックの室内にあるエアを使う部分と言えば、ピンと来る人もいるだろう。そう、エアサスシートだ。

エアサスシートは空気の力を利用してシート高を変えたり、座り心地を変えたりできる優れもの。このエアサスシートもエアタンクからの圧縮空気を使っている。

ということは、わざわざ外のエアタンクからホースを室内に引き込むことをしないでも、車内に設置されているエアサスシートに空気を送り込んでいるホースから、分岐させればいいというわけだ。

このエアサスシートから配管を分岐させる、トラックエアー取り出しキットセットなるものも多く販売されており、知識と簡単な工具があれば、室内にエアガンを設置できてしまうのだ。

車内にエアガンを設置すれば、わざわざ掃除機を使うよりも簡単に細かなホコリを車外に排出できる。ただし、エンジンを停止していると、タンクの容量しかエアーがないため、満タンでもそんなに極端には長くは使えないので注意が必要だ。

このエアサスシートへの配管を分岐して室内でエアガンを使うという技。まさにトラックならではの発想と言える。

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