ダンプカーに書かれた謎の暗号? ダンプゼッケンのお話

ダンプカーをよく見ると、荷台部分などに土地名と数字が並んで書いてあるのを見たことはありませんか? 例えば「品川 建 1111」などの謎の数列。これはダンプナンバー、もしくはダンプゼッケンと呼ばれ、正式名は「ダンプ表示番号」というものです。特定の大型自動車に付けられる文字と数字の組み合わせで、「地名・丸で囲まれた漢字1文字・5桁以内の数字」の順番で表示されているのです。

では、その意味を説明しましょう。ダンプナンバーは最初に地名が付きます。これはダンプカーが登録されている運輸支局や自動車検査登録事務所の地名となっているのですが、地名部分は2文字と決められています。

そのため通常のナンバープレートと違い場所によっては、略されて表記される場所もあるのです。品川、静岡、大阪など、2文字で終わる場所はそのまま表記されますが、習志野や佐世保、和歌山など3文字の場合は、それぞれ習志、佐世、和歌と最初の2文字のみが表記されています。

地名の次に書かれているのは「ダンプカーを使用する目的、事業の種類」を表しています。これは「建」なら建設業「石」なら採石業「営」なら運送事業と言う意味で、全部で7種類です。

そして、最後に表示される数字は、申請の際に発行される番号です。

具体的に説明すると、ダンプ後部に「長野 販 77777」と書かれているダンプは長野運輸支局に登録した砂利販売業のダンプカーだという意味になります

この表示方法も「文字の高さは200mm、文字と数字の幅は150mmで、丸で囲まれた漢字の記号の幅は200mm」「漢字の太さ15mm、数字は30mm」と言う細かな決まりがあるため、小さくて読めない表記や、すぐに認識できない場所への表記は禁止されています。

では、ダンプゼッケンは何のために書かれているのでしょうか。そもそもダンプゼッケンは、国土交通省の「土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法」(通称:ダンプ規制法)により、指定の大型車輌への設置が義務付けられています。

これはダンプカーの大きさから、事故が起こった場合に大きな事故につながりやすいため、車輌の特定をしやすくすることや、業者とドライバーへ安全意識を高めてもらうことが目的です。

このダンプゼッケンを表示しない場合や、虚偽のダンプゼッケンを表示した場合は3万円以下の罰金となります。

では最後に、ダンプゼッケン取得の必要がある車輌について紹介しましょう。ダンプナンバーが必要な車輌は、ダンプ規制法で「土砂を運搬する大型車輌」とされている車輌です。

正確には(土、砂利(砂及び玉石を含む)、砕石その他政令で定めるもの、砂利又は砕石をアスファルト又はセメントにより安定処理した物及びアスファルト・コンクリート、鉱さい、廃鉱及び石炭がら、コンクリート、れんが、モルタル、漆喰その他これらに類するもののくず、砂利状又は砕石状の石灰石及びけい砂)これら11種類に該当する物を運搬する、最大積載量が5,000kgまたは車輌総重量が8,000kgを超える車輌にはダンプナンバーを付ける必要があるのです。

知らないとダンプカーを所有している会社独自の番号だと勘違いしがちですが、事故防止に一役買っているのがダンプゼッケンなんですね。

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