
街なかで見かけるトラックをよく見ると、白ナンバーと緑ナンバーの車輌があることがわります。しかし外観には大きな差はないように思える白ナンバーと緑ナンバー。この違いはいったいどこから来るのでしょうか。
結論から言うと、白ナンバーと緑ナンバーはそれぞれ、自家用と事業用で区別されています。では、さらに自家用と事業用の違いを説明しましょう。緑ナンバーは法律上「一般貨物自動車運送事業」と呼ばれます、利益を得た上で他社の荷物を運ぶことにトラックを使用することができ、これは事業用です。
一方で白ナンバーは、緑ナンバーとは逆で利益を得ることなく自社の荷物を運ぶことに使っている車輌であり、これが自家用です。ここで白ナンバーのポイントとなるのは「自社の荷物を運ぶ際に使用できる」という部分です。これは、トラックが自社所有であることに加え、自社の商品を各店舗に配送するなどのケースでは白ナンバーでの配送がOKなのです。また農業を営んでいる方が、自分の畑で収穫した農産物を自分のトラックで販売店に配送するのも問題ありません。

こうしたルールのため白ナンバートラックは運賃が発生する輸送ができないのです。
一時期、社会的な問題となった「白タク」をご存知でしょうか。これは白ナンバーでタクシー営業を行う違法行為のことですが、ナンバーが白い車輌での営業行為を行っていることが名前の由来です。そして、白タクならぬ白トラも存在するのです。
先ほども説明した通り、白ナンバートラックのまま運賃をもらってトラック輸送を行うことは違反行為なのですが、仮に白トラ行為を行った場合、非常に重い罰則が与えられます。
白ナンバーで営業行為を行った側は貨物自動車運送事業法第3条1項・第35条1項の違反にあたり、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が科され、場合によっては、懲役と罰金の両方が科されることもあります。
さらに、懲役刑になった場合には、緑ナンバーの新規許可申請がすぐにはできなくなり、新たに緑ナンバーを取得しようとしても、懲役後5年の経過が必要となります。
しかし、白ナンバートラックの事業者に営業行為を依頼した場合は罰則がありません。依頼を受けた側の罰則がかなり重いことに対して、依頼主には罰則がないと言うのもおかしなことではあります。それだけに、白ナンバーでの営業行為は、その罰則を考えるとドライバーにとって旨味のある話ではないという事です。
では白ナンバートラックと緑ナンバートラックでの税金額や保険料の違いを簡単に説明していきましょう。
白ナンバートラックと緑ナンバートラックでは、所有時の税金額や保険料に違いがあります。白ナンバーと緑ナンバーでは税金額が異なります。「自動車税」も「自動車重量税」も、緑ナンバートラックよりも白ナンバートラックのほうが高く設定されているのです。
そのため税金面で比べると緑ナンバートラックよりも白ナンバートラックのほうが高いことが分かります。


逆に保険料で見ると緑ナンバートラックのほうが高くなる傾向にあります。相場としては任意保険に加入しようとすると白ナンバートラックよりも緑ナンバートラックのほうが1.5倍〜2倍ほど高いのが一般的です。
さらには、保険料を抑えやすいネット保険をはじめ、対応している保険会社はそれほど多くないため、白ナンバーと比べると選択肢が狭いのが実情です。しかし、緑ナンバーは国が要求する厳しい要件をクリアした事業者しか与えられないため白ナンバーにはない高い信頼度があり、それが仕事の受注にもつながるのです。
いかがだったでしょうか。見た目の違いはその色だけに思えますが、その中身はまったく異なるのが緑ナンバーと白ナンバーなのです。
