トラックステーションに潜入してみた

トラックステーションはトラックターミナルやTSと呼ばれ、営業用トラックドライバーが休憩や仮眠、食事、入浴、業務上の連絡などに利用できる施設のこと。最盛期には40カ所に存在していたが、現在は激減し現在は22ヵ所となっている。

一般ドライバーにはあまり縁がないトラックステーションだが、筆者はだいぶ前(十数年前)から気にはなっていた。そのきっかけは国道246号線を走っていると見える謎の看板。そして、そこに描かれた亀のマーク。「これはいったいなんの看板だろう?」ずっと不思議だった。さらに亀マークだけでなく、「東神TS」と言う謎の文字。ずっとTSがトラックステーションの頭文字を表しているものだとは知らなかったから、運送会社の看板か何かだろう、くらいにしか思っていなかった。

高い位置から見る謎の看板は、下部に書かれたコーヒーカップやレストランのアイコンが見えなかったために、余計に謎であった。

そんなふうに、見るたびに気にはなるけど、知らなくてもいいやという感じで過ごした月日は流れ、ついにトラックステーションを覗きに行ってみることになった。もちろん事前の下準備はバッチリで、TSはトラックステーションの頭文字で一般車は入れないと言うのもリサーチ済みだ。そして、せっかく行くならトラックがたくさん停まっていそうな夜を選んだ。

しかし、まずはショッキングな出来事に遭遇する。長年謎だった正体不明の看板はすでに撤去されていた。そんなことを知らずに記憶にある看板を目印にトラックステーションに向かってしまったために、一回は通り過ぎて慌ててUターン。

その後、無事にトラックステーションには到着し、隣接するコンビニの駐車場に車を停めて、コーヒーを買いがてらトラックステーションの様子を伺うことにした。するとコンビニの裏口がトラックステーションと繋がっていることを発見。さっそく歩いて敷地内に入ってみることにした。

コンビニと繋がっている建物を進むとあちこちに「トラックステーションはトラック協会会員事業者の緑ナンバー車輌のドライバーのための施設です。」の注意書きが貼ってある。

ということは、やはり利用資格がないドライバーが勝手に使うというケースが多いのだろうか? と想像してしまう。もちろん、今回の訪問はただ見るだけなので、自分は施設を使うことはない。

奥に進むとコインランドリーがあり、こちらももちろんトラック協会会員事業者のみ使用が可能。シャワールームも使えるのは資格者のみだが、なにが驚いたかってシャワールーム内での「就寝禁止」の張り紙。え! こんな場所で寝ちゃう人がいるの? という素朴な疑問です。

今回訪れた神奈川県大和市にある東神TSはコンビニ、シャワールーム、コインランドリーと休憩室、パーキングスペースがあり、食事などはコンビニでどうぞという構成となっていた。シンプルながら、トラックを停めて休憩しながらシャワーに洗濯、買い物ができるという効率的な設備という事が理解できた。

外に出てみるとパーキングスペースはほぼ満車。大型トラックから小型トラックまでぎっしり駐車中で、後から来たトラックは駐めるスペースはないように見える。平日の夜だから混んでいるのかは不明だが、ほぼすべてのトラックはカーテンを下ろしてドライバーが休憩中だ。

そのパーキングスペースの端っこにある看板には「環境に配慮して停車中はエンジンを切ること」という忠告が書かれているが、その下に気になる一文を見つけてしまった。

「トラック協会会員事業者以外の運転者は、駐車スペースに余裕がある場合に限り、当トラックステーションの許可を得て利用してください」

ん? 施設の張り紙には会員事業者以外は利用できないという張り紙だけだったのに、これはどういうことだ?

空いている場合は、駐車だけはしていいけれど、施設は使えないと言う意味だろうか? それとも空いている時だけは、許可さえ取れば会員事業者じゃなくても使っていいよってことなのか?

トラックステーションの受付はすでに時間外なのか無人だったため、事の真相を確かめるには至らず。今度は昼間に来てみようと思う。

高速のパーキングエリアとはちょっと雰囲気のち違う夜のトラックステーション。昼夜問わず働くトラックドライバーの皆さんの大変さを垣間見たような気がした。

それにしてもTS看板の亀の名前が気になります。どなたかご存知の方は教えてください。

ページトップに戻る