
東名高速道路には有名なサービスエリアやパーキングエアリがあるが、今回はひっそりとたたずむ「鮎沢パーキングエリア(上り)」を紹介したいと思う。なぜ、鮎沢パーキングをチョイスしたのか。それは「静かで落ち着く上にレストランのサービスが素敵」だというのが理由。
そもそも東名高速の上り線に設置された鮎沢PAは、巨大な敷地を誇る「足柄サービスエリア」と「海老名サービスエリア」挟まれた位置にある。足柄サービスエリアと海老名サービスエリアは巨大で、ファーストフードチェーン店はもちろんのこと、有名店のお弁当も売っているし、コンビニに高級スーパー、名物スイーツにラーメン屋と、今や観光スポットと化しているのだ。
その結果、フードコートやお土産店は充実しているが、いつ立ち寄っても人でごった返しているというのが当たり前となり、これれが長距離運転で疲れた体にはちょっときつい。そこでパーキングエリアに癒しを求めたい! そんな方々におすすめしたいのが鮎沢パーキングエリアなのだ。

同サービスエリアに立ち寄るとわかるのだが、パーキングスペース回りは木々に覆われ、さらに振り返ると富士山の雄大な姿が拝める。そして、いつ訪れても落ち着ける空気感を纏う鮎沢サービスエリア。そう、まるで京都の寺院にいるかのような気持ちになれる(と筆者は思っている)のが最大の魅力なのだ。そして、この雰囲気は大型できらびやかなサービスエリアでは味わえない最大の魅力だと断言しよう。
仕事や趣味で静岡県の富士スピードウェイに出向く機会が多い筆者は、帰り道に必ずと言っていいほど鮎沢パーキングにお世話になる。先ほども力説したが、この奥ゆかしい雰囲気が疲れた体に心地よいのだ。
では、さらにこのサービスエリアの魅力をご紹介しよう。日々、物流を支えてくれるトラックドライバーの方々をレストランで見かけることも多い鮎沢パーキングエリア。わたしが見る限りレストランでカップルがいちゃついていたり、家族連れで赤ちゃんがギャン泣き、と言う光景に出くわしたことはない。
いつもレストランの主役はつかの間の休息をジェントルに過ごしているトラックドライバーの方々だ。


そして、この鮎沢パーキングエリアの何が素晴らしいかって、そのサービスっぷりだ。まず、レストランの定食類はご飯のおかわりが自由。さらに味噌汁もおかわり自由。ついでに漬物も食べ放題なうえに、マヨネーズに醤油、ソース、胡椒も使い放題! 昨今、物価も上がり米の値段も爆上がり中にもかかわらず、このサービスは、もう神としかいいようがない!
メニューに目をやれば、魚定食から肉類、カレー、麺類、揚げ物と充実したラインナップとなっている。なかでもトラックドライバー界隈で人気なのが生姜焼きと唐揚げに豚汁がついた「富士見定食」なんだとか。

さて、今日は何を食べようかと思案した結果、今回はオーソドックスな生姜焼き定食をチョイス。お盆に乗って提供される定食を持ち上げて、提供カウンター背後に設置された調味料アイランドに向かう。そこでマヨネーズをたっぷりもらい、小皿に漬物をぶち込んでいざ実食。シンプルな味付けでうまい! デフォルトでもご飯はたっぷり盛られている。


小食でもないが、なかなかおかわりをもらいに行く勇気が出ない筆者を横目に、堂々と「おかわり大盛!」と茶碗を差し出すドライバーはまるでヒーローのようだ。慣れてくると、食券購入直後に「ご飯大盛で」とコールすれば、出来上がり直後からごはんが大盛で、おかわりする手間が省けると言う技があることも最近発見した。
鮎沢パーキングエリアのレストラン「富士見食堂」のサービスに満足し、後はまっすぐ帰路に着くのが筆者のパターン。建物から外に出ると、これまた自然豊かな情景が見られるのも大きな魅力でもある。
時間帯にもよるが、明るいうちなら爽快な姿、夕暮れ時は赤く染まった富士山を見ることができる。今回は天気が良かったものの、ちょっと雲に隠れてしまった富士山しか撮影できなかったが、それでも十分な旅行気分が味わえた。

最後になるが、ここにはコインランドリーとシャワー(鍵付きでセキュリティ万全の女性専用もあり)もあるため、トラックドライバーには嬉しい限りだ。
海老名や足柄のような大きなサービスエリアやパーキングエリアもちろん楽しいが、ぜひ機会があれば立ち寄ってほしいのが、この鮎沢パーキングエリア。とくに夏の夕方が、何とも言えない情緒があってオススメである。