トラックには様々なタイプが存在します。用途によって大きさや形、装備が異なりますが、それ以外にも荷台の高さで区別することができるんです。それは高床トラックと低床トラックに分類され、さらに低床車は低床トラック(超低床トラック)と全低床トラックにわけられます。ではこの差で何が変わるのでしょうか?
そもそも高床トラックと低床トラックの違いは非常に簡単で、地面から荷台までの高さが高いトラックは高床車、低いトラックは低床車と呼ばれます。
これは大きなタイヤサイズを装着すると荷台が高くなるので高床トラック、逆に小さなサイズのタイヤを装着したトラックは荷台の低い低床車になります。さらに前後のタイヤサイズを小さくした場合は全低床トラックとなるのです。
ただ、この高床と低床は明確に荷台が●●㎝というルールがあるわけではないうえに、トラックのメーカーや型式によって荷台や荷室の高さは様々なものが存在するため、外見だけで見分けるのは非常に難しいと言えるでしょう。
しかし、おおまかに3軸は高床トラック、4軸が低床トラックとなっているものが多い傾向にあります。あとはタイヤサイズを確認して見分けるなどの方法もありますが、やはりどのサイズからは高床、低床と言うくくりもないため明確な判断基準にはなりません。
こうした高床トラックと低床トラックが存在することにはもちろん理由があります。
高床トラックは大きなタイヤを装着するため安定性や走破性が高く、高速道路での長距離移動や悪路走行に適しているのです。さらに、大口径のタイヤは走行中の衝撃を吸収してくれるので、ドライバーと積荷への負担を少なくできるのがメリットです。そのほかタイヤの摩耗が少ないことや、車高が高くなるので、クレーンやフォークリフトでの作業現場に適しているとも言えます。
その一方で車高が高いため手作業での荷物の積み降ろしがしにくい、乗り降りがしづらいというデメリットもあります。
では低床トラックはどうでしょう。タイヤが小さい分、荷台の空間を大きくすることができるため積載スペースが多くなるのは大きなメリットです。また、地上からの高さが低いので、手作業での荷物の積み下ろしがしやすく、ドライバーの乗り降りがしやすいのもポイントです。デメリットは高床トラックとは逆で、タイヤが小さい分乗り心地は悪くなることが挙げられます。
このようにどちらもメリットデメリットを持ち合わせていますが、使用用途に合わせてチョイスすることで、その性能を十分に発揮できるのです。
高床トラックであれば、積み降ろし作業は大変ですが、荷物の積み降ろしが少なく、長距離を移動する運搬には最適と言えます。また冷凍・冷蔵車は、なるべく地上から離して荷物を運搬したいので、高床トラックのほうが選ばれやすいのです。
逆に低床トラックであれば、乗り心地の面を考慮し、長距離よりは近距離。さらに荷物の積み下ろし頻度が高い作業に適しています。乗り降りのしやすさも考えれば、ドライバーの負担が低い宅配便や商品の配達業務に使われます。
見た目でぱっと判断することが難しい高床トラックと低床トラックですが、実際の物流現場ではどちらも適材適所で使われているのです。