物流シーンにおいてトラックと同じくらい重要な役目を担っているのがフォークリフト。知っているようで詳しくはわからないフォークリフトの種類や使用用途を解説しよう。
倉庫で必ず目にするフォークリフトは、油圧を利用して昇降・傾斜ができる荷役自動車。この車輌は、フォークと呼ばれる貨物を運ぶための爪が車体に装備されていることが大きな特徴。そして、動力源としては、エンジン式、バッテリー式、燃料電池の3種類がある。これらはあくまでも動力源なので、外観にそれほど大きな違いが生まれる部分ではない。
しかし、フォークリフトは原動力の違いの他、カウンターバランスフォークリフト、リーチフォークリフト、サイドフォークリフト、ウォーキーフォークリフト、マルチディレクショナルフォークリフト、オーダーピッキングトラックなど、そのバリエーションはかなり豊富。そこで簡単に代表的なフォークリフトの解説をしていこう。
カウンターバランスフォークリフト
もっともベーシックなスタイルと言えば、このカウンターバランスフォークリフト。直進、旋回が簡単で床から荷物の持ち上げに使用される。車体後方に重り(カウンターウエイト)があり、運搬する荷物の荷重にも耐えられる作りになっている。安定感があり、走行速度やフォークの動作が速いのがメリットだが、車体が大きいので広い場所での作業に使用されることが多いフォークリフトだ。
リーチフォークリフト
リーチフォークリフトの特徴は、静止状態でフォークを前後に動かすことができることと、立ったまま運転すること。コンパクトなボディで、小回りが利くため狭い場所での利用に向いている。ただし、カウンターバランスフォークリフトと比較すると、重心が高く安定性がやや落ちるため、重量がある荷物にはあまり向いていない。
ウォーキーフォークリフト
その名前のとおり運転者が歩いて操作するタイプの小型フォークリフトで、リーチフォークリフト同様に狭いスペースでの作業に使用されている。
ハンドリフト
ハンドリフトは別名、手動フォークリフトと呼ばれている。フォーク部分を電動、または手動で上下に動かし、パレットを持ち上げて移動させたり、フォーク部分に荷物を載せて運んだりできる。動力を必要としないので手軽に使用でき、手動ならではの高い旋回能力と、正確な位置に荷物を動かすことができるのが特徴。ただし、他のフォークリフトほど重たい荷物は運べない。
フォークリフトは、その性能や大きななどにより活躍する場所が違うため、思った以上に多くのラインナップが存在する。そして、どれも物流においては非常に重要な役割を担っているが、最後に紹介したハンドリフト以外は例え私有地内であっても免許や資格がないと操作することが禁止されていることもお忘れなく。