【道交法2024問題】なぜトラックのヘッドライトは、低い位置に取り付けられているのか。ハイビームで相手を眩しくさせるドライバーは論外だ!

夜間、クルマを運転していると、対向車や後続車のヘッドライトが眩しいと感じる機会が増えたと感じているドライバーが多いようだ。その原因はいくつもあるので、原因別に解説していこう。

まずひとつはハイビームの切り替え忘れだ。これは対向車などがいない状況でロービームで走行時に歩行者に気付くのが遅れて人身事故となってしまったケースが続出したことから警察庁が「クルマのライトはハイビームが基本です」という風にお知らせを広めて、それをそのまま受け取ってしまった勘違いドライバーが続出したことが原因。

そもそもヘッドライトはハイビームが基本で、ロービームは対向車や先行車がいる場合の「すれ違い灯」としての役割だった。だった、と書いたのは道交法で定められたのは今から半世紀以上も前のことで、当時は街灯もクルマの数も少なかった状況だった。おまけにクルマのヘッドライト今よりずっと暗かったからだ。

道路を安全に走行するためには、より広く遠くまで光が届くハイビームでなければ危険だったのだ。

道交法では前走車や対向車がいる場合はすれ違い灯に切り替えなければいけない、とも定められており、現在の交通事情では前走車や対向車がいない状況の方が稀なため、ロービームを基本とすべきなのに、法律上の解釈は問題ないことから、そのままにしているため、ドライバーの理解が進んでいない。

そこにハイビームが基本と教えられたら、深く考えないドライバーはハイビームのまま走ってしまうだろう。以前よりは減少したが、未だにハイビームで走行を続けるドライバー(軽自動車に多い印象だ)は一定数存在する。

ふたつめはヘッドライト自体が明るくなっており、走行中の振動によって光が揺れて眩しく感じるもの。これはヘッドライトの光量の上限が撤廃されたことや、ライトの構造でカットラインにより配光が制限されていることから、カットラインが揺れて眩しい光が対向車や前走車のドライバーの目を直撃するのだろう。

一方でトラックのヘッドライトは眩しいと感じることが少ない。これは保安基準でヘッドライトの高さをバンパーレベルに下げることが義務つけられたからだ。旧車のトラックはグリルやヘッドライト、バンパーが独立しており、そのデザインも独特だったが、近年は差別化が難しくなった。

そのためヘッドライトの高いSUVやミニバンの方がヘッドライトは眩しく感じるようだ。また、HIDなどでハロゲンヘッドランプをカスタムしているユーザーのクルマでは、ロービームでも光が広がりすぎて眩しく感じることもある。

最後に、加齢による目の老化も眩しさを感じさせる原因になっていることを報告しておこう。最近のLEDヘッドランプやHIDは、青白い光でエネルギーが強いことから、目の中で乱反射するため眩しく感じる。老化によりこの刺激に弱くなることも、眩しく感じる原因なのだ。

トラックドライバー諸氏は、ナイトドライビング用サングラスなどで目を労り、作業灯などで後続車ドライバーの目を幻惑しないように気をつけよう。

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