トラックは昼夜を問わず、道路を走り商品や資材、道具などを運んでいる。夜間や早朝未明の積み込み、積み降ろしも珍しくなく、そのために荷台に作業灯を設置しているトラックも多い。
また、照明のない現場や駐車場での移動や駐車のために、後方視界を確保する後方灯を備えるダンプやトラックもいる。それ自体は問題ないのだが、夜間の走行中に、それらの作業灯、後方灯を点灯させながら走行しているケースを見かけることがある。
これは走行中の後方視界を確保して、巻き込みを防止するなどの安全対策として意図的に点灯させているケースや、作業後に消灯し忘れて、そのまま走行しているケースが考えられる。だが、どちらの理由にせよ、周囲のドライバーにとっては迷惑以外の何者でもないことに気付いてほしい。
前方にクルマがいるにも関わらずハイビームにしたままの走行と同じく、周囲のドライバーを幻惑するような行為は、交通違反に問われるし、直接事故を起こしていなくても、事故を誘発することにつながりかねない。
自転車の運転違反が厳罰化されたなど、日本の道路交通は急速に厳格化を進めつつある。これは安全を考えると良い傾向ではあるが、同時に道路交通に対するリスクが上昇していることを意味している。
妨害運転罪や危険運転致死罪など、新設された法律や罰則もあり、これらも不備があれば見直される動きをみせており、交通違反や事故に対し、厳罰化の傾向が強まっている。
こうした迷惑行為が増えたり、これが原因で交通事故が誘発されるケースが発覚すれば、厳罰化されることもありうるのだ。それはトラックドライバーが自分の首を絞めることにつながる。
BMWのドライバーがリアフォグランプを点灯させて走っているのと同じく、ネット界隈や巷でトラックの作業灯の眩しさが話題になれば、罰則化される可能性も出てくるのだ。点灯している本人は、そんなこと気にも止めていないだろうが、今や周囲のドライバーが不満をSNSで呟けばたちまち広まってしまう。
フォグランプだけ(それも緑や青に着色した光を放っている)で走行しているクルマも、それが原因で事故を起こしたら、当然ながら事故の責任は重くなる。
パトカーに遭遇したら即座に消灯、ライトを点灯すればいいと思っているのであれば、ちょっと考えが甘すぎる。これまではそれで通用してきたかもしれないが、これからはリスクでしかない。
パトカーもそういった眩しいクルマに遭遇したら、検挙まではしなくても注意するくらいの行動を示すべきなのだが、自分の手柄にならないことは後回しにしている警察官も多い。だから、自分勝手なドライバーが増えてしまっている。
自転車のながら運転が取り締まられるようになれば、クルマの灯火類に対する取り締まりも厳しくなる可能性が出てくる。街はいたるところに防犯カメラが備え付けられており、クルマにはドライブレコーダーの普及が進み、人々はスマホを手に歩いている。
いつも誰かに行動を見られている、記録されてしまうことを意識しなければいけない時代なのである。