降雪地帯と非降雪地帯の差が広がっている気がする。特に日本海側の降雪地帯は近年、雪害に悩むほどの大雪に見舞われているが、全国的には暖冬だ。
ダウンジャケットなど最近着たことがないという人も多いんじゃないだろうか。しかし日本海側の東北地方などは、雪降ろしなどの重労働に追われるほど冬場は雪が降り積もる。
すごいときには一晩で1mも積雪することがあるらしい。そこまで降ると、道路交通は一時的に麻痺してしまうことになる。高速道路や幹線道路は立ち往生したクルマで身動きできない状態になってしまう。
自分のクルマは4WDでタイヤチェーンも装備していても、前後のクルマが立ち往生してしまうと、どうにもならないこともある。高速道路ならUターンして戻ることもできないからだ。
近年、大雪の際には多数のクルマが立ち往生してドライバーが閉じ込められてしまう事態が発生している。その場合、長時間ドライバーや乗員は車内で救助や開通を待つことになる。
EVでは暖房によってバッテリーの蓄電量が消耗し、ゼロになってしまう電欠の恐怖がある。こうしたことを経験、あるいは報じられたことを知って、EVを選択しないユーザーも出てきた。
ガソリン車でもトラックで多いディーゼル車でも、暖房のために燃料を消費することになるし、マフラー出口付近の積雪を定期的に取り除かなければ、車内に排気ガスが侵入し、一酸化炭素中毒の危険性も高まる。
それに暖房だけあれば耐え続けられるというものでもない。豪雪地帯のトラックドライバーのなかには、こうした事態に備えて、非常食や携帯用トイレなどをクルマに積み込んでいる人もいるだろう。
そうした準備をしていないドライバーも多く、大規模に立ち往生した際には、警察や自治体、高速道路各社などが救援物資を届けに回ることも珍しくない。その場合、現場までその物資をクルマで運べればいいが、実際には立ち往生の最後尾までクルマで運び、そこからは徒歩で1台1台のクルマに救援物資を渡すことが多いのだ。
それでは非常に非効率で、物資を届ける方も大変だし、受け取る側もなかなか届かないので辛いところ。そこでNEXCO東日本では、救援物資を届けるための新兵器を用意した。
それが電動バイクだ。通常の電動バイクでは積雪時にそれほど役には立たないが、雪上防災バイクと名付けられたこの電動バイクは、後輪をクローラー、前輪をスキーにすることで、高い雪上性能を備え、後方にソリを牽引することで、救援物資をかなり積んで運べるのだ。
クルマに比べて安価で台数も揃えやすいことから、大規模な立ち往生が発生した場合にも、大いに役に立ちそうだ。
バイク自体は中国製の電動バイクでサーロンLight Bee L1e-Cというものでこれでオフロード走行を楽しんでいるフリークも日本には増殖中だ。このバイク、Light Bee L1e-Cは原付二種で公道走行も可能、価格は約60万円とのことだ。