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トラックが運ぶ荷物は、多岐に渡る。ほとんどの生産物、工業製品はトラックで運ばれている。食料品もほとんどがトラック輸送を利用しているから、我々の生活にはトラック輸送は無くてはならないものだと言える。
様々な飲料を運ぶのも、トラックの重要な役割のひとつだ。液体だけに重量はあり、全国のコンビニやスーパーなどの小売店や自動販売機などにペットボトルや缶飲料を運ぶのだから、膨大な量になる。工場からは各地の倉庫まで定期便で運んでいる飲料メーカーがほとんどだ。
そんな飲料も輸送時の効率化がどんどん進められている。パレットに積み重ねて運ぶパレタイズの最たるものが、この飲料関係だと言ってもいい。規定のパレットにキッチリと積めるダンボール梱包とすることで、トラックへの荷役がスムーズかつ無駄なく積み込むことができる。
パレットと積荷の大きさが合っていないと、積み込んだ時にパレット間で積荷に隙間が生まれてしまう。これが走行中の振動や衝撃で隣り合ったダンボールがぶつかったりして、傷ついたり凹んだりしてしまう原因になるのだ。
ダンボールのなかの飲料さえ無事なら問題ないのでは、と思う方もいるだろう。しかし小売店によっては段ボールのまま陳列するところもあり、段ボールが傷ついていたり汚れていたりすると受け取りを拒否するケースもあるのだ。
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その一方で小売業界では価格競争や内容量の競争も盛んだ。同じ種類の飲料のなかで消費者に選んでもらうためには味や機能、パッケージデザイン、ブランドだけでなく、キャンペーンや細かな価格設定なども影響する。つまり、ライバル製品の内容量が500mlであれば、550mlや600mlに増量して、お得感を出すことでコスパ重視の消費者にアピールしているのだ。
しかし、そうなるとパッケージの問題が出てくる。背が高いペットボトルにすれば当然、段ボール箱も高くなる。また、円筒形のボトルでは箱に詰めた際に周囲に空間が出来てしまうので、運ぶ際に四角い段ボール箱には無駄が出てしまうのは避けられない。
そのため最近は空間を無駄なく使うための容器が開発されてきた。サントリーでは円筒形ではなく角を丸めた四角い断面のボトルの導入を進めている。
これなら容量を増やしても高さは抑えられるし、なおかつダンボール内の無駄なスペースを削減できる、というわけだ。これは自販機には採用しにくいので、今後は自販機用と店舗販売用でボトルを使い分けるようになるのかもしれない。
トラックは荷物を運ぶだけだが、その荷物の内容や仕様によって最適な積み方、パレタイズがある。トラック荷役が様々な課題を抱える現在、これからもより効率の高い積載方法、パッケージング、パレタイズが開発されていくことになるのだろう。
ペットボトルのデザインひとつでも、物流に少なくない影響を与えるということに、物流という業界の奥深さ、トラック輸送のシビアさ、面白さを感じずにはいられないのである。
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