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日本の高速道路に無くてはならないものにトンネルがある。山が多く、ある程度直線的にルートを作る必要がある高速道路にはトンネルは不可欠だ。
さらに首都高速など都市高速では地下を走ったり、海や川の下を潜ったりと縦横無尽に道路が張り巡らされるので、トンネルも多い。
そんなトンネルの工法と言えば、シールドマシンを使ったシールド工法がイメージされるのではないだろうか。円筒状の巨大なシールドマシンがゆっくりと回転しながら先端のカッターで掘り進みなから土砂を後方へと運び出し、同時にコンクリートを吹き付けて隔壁を固めていくというのがシールド工法だ。
掘り進みながら隔壁も同時に作り上げていくという連続的な作業は、実に効率的な印象があるが、それは極めて偏った知識だったのだ。ハイウェイテクノフェア2024を訪れて、トンネルという建築物の複雑さ、高度な技術ぶりに感嘆させられたのだった。
「何だこりゃ?」というのが、このスケールモデルを初めて見た感想だった。まるでハリネズミのように無数の長い棒が放射状に伸びている。これは一体なんだ?
それがトンネルの模型だということに気がつくまでに十数秒は費やした。
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戸田建設のブースでのことだ。説明員に話を聞くと、これはトンネル工法の説明用に作った模型で、放射状に伸びる長い棒は土中を補強するロックボルトという部材だそうだ。
特に軟弱な地盤の場合、このロックボルトを打ち込んで補強し、トンネルの隔壁にも環状に曲げられたH鋼を一定間隔で入れることでコンクリート壁の補強にしている。
これは山岳工法と呼ばれる山岳トンネルでは標準的な工法に用いられる技術で、シールド工法と比べると圧倒的に安く、そして工期も短くて済むそうだ。山岳工法は、堀り進むには発破と言って爆薬で土壁を破壊して運び出す方法を採る。
石材などの採掘にもダイナマイトによる発破作業が行われるが、トンネル建設でも未だに発破工法が用いられているのである。
戸田建設は発破工法もシールド工法もどちらも手がけているし、トンネル工事以外にも様々な建築物を手がけている中堅デベロッパーだ。
この模型では、コンクリートを充填する際に振動を与えて空気を抜いてコンクリートの密度を高める技術や天井部のコンクリートの充填が十分か確認する技術などをパネル展示と共に説明していた。
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この他にも小さな掘削機で掘り進みながら、横に連結できる鋳鉄製の枠を入れ、それを環状に組み上げてから内側の土砂を掘削して取り除き、枠内にコンクリートを流し込んでトンネルにするユニークなトンネル工法など、様々な技術を駆使して都市や道路を開発しているのだ。
トンネルのおかげで我々は便利な移動や運送を実現しているが、その裏にはこうした安全で確実なトンネル工法による建設があって、さらに保守管理なども含めて日本の高品質な道路網が構築されているのだ。
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