電動はもちろん、今や燃料電池仕様や自動運転など、先進の技術が続々と盛り込まれているのがフォークリフトだ。物流の効率化合理化に欠かせない物流機器である。
フォークリフトといえばパレットを運ぶだけのものと思っている人がほとんどだろう。確かにフォークリフトでパレットを運ぶとスピーディに重い荷物やたくさんの荷物を効率よく運ぶことができる。トラックへの積み下ろしもフォークリフトがあればスイスイ進められる。
そんなフォークリフトをさらに便利にしてくれるアタッチメントを開発販売しているのが米国のカスケード。国際物流総合展にはそんな同社のフォークリフト用アタッチメントがいくつも展示されていた。
リーチフォークは、その名のとおり通常のカウンター式フォークリフトを爪が伸び縮みすることでリーチ式フォークとしても使えるようにしてくれるアタッチメント。
しかもリーチ式フォークの場合は前面の車輪がついた足が伸びることでマストから前方が前後に動くのに対し、カスケードのリーチフォークはフォーク先端だけが伸びるので、トラックの荷台の奥に積み込むようなケースでも、トラックとフォークの車体が干渉しにくいのはメリットだろう。
続いて目に留まったのは、アクティブウェイというアタッチメント。これはマスト部分から交換するもので、フォーク部分にロードセル(圧力により重さを検知できるセンサー)を内臓している。
フォークリフトが持ち上げているモノの重さを自動計測してくれるのだが、ユニークなのは爪のどの部分においても同じ重さを表示するようになっていること。これによりパレットのどの位置に重たい荷物があっても、かなり正確に重さを計測することができるのだ。
電動マルチロードハンドラーは、シングルパレットとダブルパレットの両方を切り替えて使えるアタッチメントだ。通常は2枚のパレットを同時に運べるダブルパレットハンドラーに取り替えて使うものだが、こちらは電動油圧のアクチュエータでシングルパレット用からダブルパレット用に変化できる。
ダブルパレット用にした場合、爪は半分に細くなるので見た目は不安だが、十分に強度は確保されているそうだ。この電動マルチロードハンドラーは、動きのユニークさだけでも見る価値はあった。
このほかドラム缶を掴んで運ぶクランプやコンテナで運んで、反転させて中身を排出できるローテーターなど、様々なアタッチメントが用意されているそうだ。工場で材料を運んで、そのまま機械のタンクに中身を投入したり、というような使い方もできるのである。
建設重機などもアタッチメントで様々な使い方に変化することができるけれど、フォークリフトの多才さには、ちょっと驚かされた。倉庫や工場で色んな働き方ができる、すごく便利な運搬車だ。これを活用しないのは、ちょっと勿体無いとも思わされた。