ダンプカーのボディ(荷台)を見ると、住宅やホテルにある「アレ」を想像しないだろうか。そう、それは風呂桶、バスタブだ。
というのはちょっと強引かもしれないが、トレーラーダンプのボディを使って、巨大なバスタブを作った技術者たちがいるのだ。
彼らはドイツ・ダイムラートラック社に在籍。メルセデスベンツ・アクトロスでお馴染みの同社の30名の若手エンジニアたちが中古のトレーラーダンプをベースに、20人以上が同時に入浴できる巨大なバスタブを製作した。最新のプール技術で制作されたそのバスタブに入る水は22立方メートル。さらに瞬間湯沸かし器付きの薪ストーブと快適なシート、直径1mのシャワーヘッドも設置されている。
完成したこの移動式バスタブは2026年8月26日、ドイツ南部のマンハイムにあるダイムラートラックの工場内の消防署にて水が満たされ、プールパーティー形式でお披露目された。その発表会の後、アクトロスのトラクタに牽引されたそのバスタブはライプツィヒ近郊のグレーフェンハイニッフェンへ移動。同地で開催された「MACHERフェスティバル」に参加し、来場者たちにお風呂のサービスを提供した。
このプロジェクトはドイツのユーチューバー「The Real Life Guys」とコラボレーション。移動式バスタブ製作の一部始終を動画で公開し、その再生数は1週間で160万回を越えたという(https://www.youtube.com/watch?v=4KeI7d2kFAA)。また The Real Life Guysは MACHERフェスティバルの動画も配信。オープニングで移動式バスタブの催しのシーンも見ることができる(https://www.youtube.com/watch?v=QX31owbmXO8)。
ダイムラートラックの職業訓練責任者、ブリッタ・バイリング氏は「旧いダンプトラックを移動式バスタブにカスタマイズすることで、当社の若手エンジニアたちはその技術力を印象的にアピールしてくれました。また、マンハイムのダイムラートラックの工場とバスの工場での職業訓練の多様性と革新的な強みを強調できました。そして、インフルエンサーとのコラボレーションは、ソーシャルメディアを通じて、当社の就職を目指す若者たちにアピールする素晴らしい方法になりました」とコメントしている。
ダイムラートラックのマンハイム拠点では、現在350名の若者が職業訓練やデュアルスタディプログラムを受けている。ここでは倉庫物流スペシャリスト、生産メカニック、自動車メカトロニクス技術者、メカトロニクス技術者、切断機オペレーターの5つの専門職種の訓練と、コンピューターサイエンス/サイバーセキュリティの理学士、電気工学および情報技術の工学士、機械工学の工学士、メカトロニクスの工学士、および産業工学の工学士を目指すデュアルスタディプログラムが進められている。