トラックを荷物を運ぶ、あるいは仕事の道具を運ぶだけのクルマと決めつけてはいないだろうか。
トラックは堅牢性が高いというのも特徴だ。さらに乗車定員を増やせるダブルキャブや走破性が高まる4WDといった力強い要素をトラックは持っている。これを仕事だけで使うなんて勿体無い、という人も増えているようだ。
軽トラが個人ユースでハイリフトにカスタムして、オフロードテイストに仕上げて楽しんでいる層がいるように、小型トラックでも個人でレジャーユースに利用している層は少数派ではあるものの、いないわけではない。
それもダブルキャブの4WDをハイリフトにして、走破性の高さからアウトドア系の趣味を楽しんでいるマニアだって存在するのだ。
そもそも災害時に活躍する自衛隊や消防庁のレスキュー隊は、トラックをベースにした災害救助車などを使用している。トラックは物資を運べるだけでなく、悪路の走破性も高く堅牢で利用範囲は広い。
ハイラックスなどのダブルキャブと比べるとボンネットがない分だけ、ボディの長さに対してキャビンや荷台の長さが長く、快適(まあ乗り心地はトラックだが)で実用性も高いのが大きなメリットなのだ。
ジープタイプのクロカン4WDほどの走破性はなくても、荷物の積載能力はダントツであるし、通常のオフロードや砂地、雪道などでの走破性は相当に高い。
ルーフテントを荷台にマウントしてもいいし、軽トラのように荷台にフレームを組んで二層にして利用するのもオシャレで実用性が高まりそうだ。Wキャブのリアシートを改造して、二段ベッドを組み込んだら、車中泊仕様としても便利で快適になるのではないか。
新車の4WDダブルキャブを趣味用として購入するのはかなりハードルが高いが、中古車であれば経済的な負担はぐっと低くなる。
ただし現在はトラックも品不足が続いており、中古車も割高な傾向にある。そもそも商用車は、散々使い倒されたクルマが中古車として出回るケースが多く、新車と比べ割安とは言い難い。そこは気長に探して、自分好みの仕様と予算に合うトラックを見つけるしかないだろう。
究極的にはメルセデス・ベンツのウニモグあたりを個人ユースで乗り回すのが理想なのかもしれない(時々そんなオーナーもSNSやネット上で見かける)が、そこまでいくとジープやジムニーを超えたオフロードマニアの領域だ。
ともあれトラックは仕事するためのクルマとは限らない。もっと自由な使い方をしてもいいクルマなのだ。いすゞエルフミオの「だれでもトラック」はそんな風に捉えることもできそうなトラックだ。
特にダブルキャブはSUT(スポーツ・ユーティリティ・トラック=SUVに対するピックアップトラックの呼称)を上回る積載能力を誇るのだから、軽トラをカスタムするスタイルから発展して、オフロード車ライクな小型トラック、中型トラックを乗り回すユーザーが増えてくれたら、トラックの魅力がさらに広がることになりそうだ。