【物流2024問題】どうやって荷物を仕分ける? 国際物流総合展で見つけた最新技術の数々に驚きの連続

物流拠点には毎日、大量の荷物が届けられ、それがさらに目的地ごとに仕分けられて荷受け人や注文主のところへ届けられていく。

個別の商品をピッキングして出荷する在庫型物流センターと違い、パッケージされた箱にあるバーコードなどを読み込んで地域別に振り分けるのが、通過型物流センターの役割だ。

以前は仕分けをほとんどスタッフが手作業で行っていたものだが、荷物の取扱量の増加と人手不足が重なって、こちらも急速に自動化が進んでいる分野だ。

前述のように荷物に貼り付けられた伝票のバーコードを読み取る、ここまではどこの仕分けシステムも変わらない。しかし仕分けの方法はメーカーやブランドによって色々あって、実にユニークだ。

ベルトコンベヤーを使って荷物を運びながら、上部のカメラでバーコードを読み取り、行き先を認識する。そして、行き先ごとのエリアに荷物が到達するとベルトコンベアに組み込まれた横方向のベルトを動かして、目的のコンテナにシュートする。

大型モニターに映し出されている映像は早送りしているのではないかと思うほど、メインのベルトコンベヤーのスピードは速く見える。しかし実際に展示されているデモ機も変わらぬスピードでベルトを走らせていた。

コンベヤーの進行方向を変化させることで荷物を振り分ける機構を採用しているシステムもある。これはボール状のローラーが並んでいるコンベヤーでローラーの向きを変化させることで荷物の行き先を変えるのだ。

従来からコンベヤーを流れる荷物をカメラ付きのロボットアームが認識して、コンテナボックスや別のコンベヤーやシューターへと振り分ける仕組みの仕分けシステムもある。

しかし最新の仕分けシステムは、自動化に加えてスピードも凄い。ロボットアームが仕分けするのでは、とても太刀打ちできないほどの速度で次々と荷物を仕分けていくのだ。

倉庫に分類して保管するだけならスピードはそれほど必要ないが、宅配荷物の中継地点など仕分けにスピードが要求される現場では少しでも速く仕分けられるシステムが求められているのだ。しかも人間が仕分けるのと違い、ほとんどミスがないのだから、普及していくのは時間の問題だ。

トラックドライバーはトラックに荷物を運ぶだけで仕分けには無関係だから、倉庫内ではこんな自動仕分けシステムが普及し始めていることはあまり知られていないだろう。

宅配荷物などの仕分け作業は作業員にとって、かなりキツい作業だと言われている。自動化が普及すれば作業員の仕事は減り、物流の現場は作業員にとって楽な仕事が残るようになるのだろうか。そうでなければ労働力が不足していく将来、物流業界は今のようなペースで大量の荷物を捌くことはできなくなる。

倉庫内がほとんど無人でスピーディに仕分けや入出荷が行われるようになってくれば、物流業界の人手不足は解消するだろうか? いや待遇など働き手の不満を根本から解消しなければ、人材は異業種へと流出していくだけだろう。

昔のようにトラックドライバーが稼げる職業に戻らない限り、ドライバーの成り手は不足するばかりとなるのだ。

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