本格的な冬到来、トラックに使えるおススメ冬用グッズ

関東以南では少し秋らしくなってきたという感じだが、北海道の山岳地帯では雪の便りが聞かれるなど、本格的な冬がすぐそこにまでやってきている。トラックドライバーにとって冬は厄介な季節、雪と寒さは運転の大敵なのだ。

寒い朝にエンジンをかけようとしても、セルモーターが反応しないなどといったバッテリー上がりが増えるのもこの季節だ。一昔前のバッテリーならだんだんエンジンの掛かりが悪くなるなど、わかりやすい兆候が見られたものだ。ところが、近年の高性能タイプは寿命の直前まで元気なことが多く、昨日の朝は問題なくかかっていたのに、今朝になっていきなりダメになるなんていうことも。

とくにトラックの場合、タイムスケジュールが厳しいからロードサービスを呼ぶ余裕などはない。そこで便利なのが、「ジャンピングスターター」である。これはモバイルバッテリーの一種で、セルモーターに対応可能な大きな容量の電気を、一度に引き出せるという特徴を持つ。比較的小型で手ごろな価格の24V対応のものがあるので、トラックに備えておいてはどうだろうか。

夜に冷え込むと、翌朝にはフロントガラスやサイドミラーに、びっしりと霜や氷が付着していることがある。その状態では視界が確保できないから、何とか除去しなければならない。スクレーパーで削り取るという方法もあるが、時間がかかる上に全高のあるトラックでは手が届かないところも多いのだ。

そこで登場するのが、「解氷スプレー」だ。エタノールなどの氷点下でも凍らない成分を使用しているので、気温が低い場所でも霜や氷を溶かすことができる。スプレーの勢いが強いので、高いところにも薬液が届く。ただ、エタノールは撥水成分を分解したりゴム部品の劣化を促進したりするので、使用するときには注意が必要だ。

ボディに雪が積もっているとなんだかカッコよく感じてそのまま走りたくなるが、これは落雪で後続車が迷惑するから出発前に落としておく必要がある。この作業にはスノーブラシが便利だが、雪が凍って固まってしまうと簡単には落とせない。そんなときに使えるのが、「雪切り落とし」だ。凍りついた雪に対して「突く」「切る」といったことができるので、意外と簡単に除去が可能になる。雪を崩す先端部分は、ボディに優しいシリコンゴムを使用。最高180㎝の長さにまで伸びるので、大型トラックでも十分に使用可能だ。

走行中に雪が降ると、雨以上に視界が遮られてしまう。このとき、ワイパーを使って雪をはねのけるのだが、実は雨用ワイパーだとブレードの隙間に雪が入り込んで機能しなくなるのだ。降雪地区で「スノーワイパー」を使うのは、この対策のためなのである。このアイテムはブレード部分をゴムで覆っているから、雪が入り込むことはない。激しい吹雪の中でも、常に安定した機能を保ち続けることができるのだ。

このように、冬の寒さや雪・霜・氷などはトラックドライバーにとって、定時運行・安全運行を妨げる厄介なもの。しかし、対策グッズを備えることである程度その負担を軽減できる。ただ、冬用タイヤやチェーン同様、これらの多くは需要を見越して生産されているものだから、想定以上の厳冬になると年明けごろに品切れを起こすこともある。本格的な冬が来る前に、万全の準備を整えておくことが望ましいといえよう。

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