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国際物流総合展2024を取材して回って見つけたのがトプレックの新型ボディ。中でも注目するのは2台のモデルだ。一台は「だれでもトラック」のいすゞエルフミオをベースにした普通免許で運転できる小型冷凍車。そしてもう一台はFCEV(燃料電池車)による庫内乾燥機能付きの冷凍車である。
エルフミオは平ボディで1.3トンの積載能力があるが、冷凍車となるとボディの重さもあって最大積載量は800kgとなっていた。冷凍車は、冷凍食品や食材を運ぶためのトラックとして広く使われている。では、どうして庫内乾燥機能が必要なのだろうか。
従来は冷凍車、冷蔵車は往路は冷凍食品やチルド品を運んでも、復路は空荷で帰ってくるしかなかった。それは帰ってくるルートでは冷凍食品やチルド品を積める訳がなく、かと言って常温品を運ぶには冷やし切った庫内では結露が発生し、その状態で荷積みをすれば荷物を濡らしてしまうために運ぶことができなかったからだ。
従来の冷凍車は庫内を乾燥させるため大型トラックでは半日も扉を開放しておく必要があった。これでは1日の半分しか稼働できないことになる。そうでなければ1日2便で冷凍食品などを運ぶことで常時冷凍機を回して庫内を冷やし続けるしかない。それでも復路は空荷のままだ。
そこでトプレックは往路で冷凍、冷蔵品を運んだトラックで、復路は商品の結露を抑えるボディを開発したのだった。それは庫内乾燥機能付きトラックである。
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庫内乾燥機能とは、冷凍機に加えヒートポンプ式のヒーターを備えることで、庫内を温めて乾燥させ、従来なら半日かかる庫内の結露除去を2、3時間で完了することができるそうだ。これにより復路でも通常荷物を運ぶことができるので、収益性は大幅に改善することができる(後は営業次第!)。
従来の冷凍車では庫内を乾燥させた後で清掃(扉を開放しているため汚れる)する必要があったが、扉を閉めたまま乾燥できるので衛生的でもあり、清掃の頻度や必要性も格段に削減できる。これはドライバーにとって、運転以外の業務の負担軽減になりそうだ。
この庫内乾燥機能は数年前から導入されているが、今回はエルフミオとFCEVという話題性の高いベース車に搭載していることで注目度が高まっている。
このほか、大型トラックの三菱ふそうスーパーグレートや中型トラックの日野レンジャー、エルフEVでも庫内乾燥モード付きの冷凍車を製作して展示していた。
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佐川急便もEVトラックとFCEVトラックの実証実験車を展示していた。こちらはボディ全体が冷凍仕様になっているわけではなく、ボディの左右に設けた小さなスペースが冷凍庫と冷蔵庫となっている。
常温の荷物がほとんどで、チルドや冷凍の食材などがちょっとだけある場合は、この構造は役に立ちそうだ。少なくともこういう環境があったから、この構造が開発されたのだろう。
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これらが今後、活躍するようになると物流の環境対策と効率が向上することになる。ぜひ普及を祈ろう。