国土交通省が物流の効率化を図る手段のひとつとして、パレットの統一化を提案している。T11というパレットは縦横1.1mの大きさで、最も多く使われているサイズだ。
パレットはフォークリフトで荷運びできることから様々な業種で利用されている、物流では欠かせない道具のひとつだ。前述のように日本全国ほとんどの物流でT11を使っていれば、パレットからパレットへの積み替えなんて無駄な作業は無くせる。
しかし実際にはトラックの荷台の大きさや商品の大きさによって、微妙に大きさの異なるパレットを使っているメーカーや倉庫も多い。それは自社の荷物だけを考えれば当たり前のことだ。
けれども、わずかなパレットの大きさ違いで行き先によってはパレットからの積み替えをしているのも現実問題として物流の無駄な部分になっている。このあたりの意識を変えていく必要がありそうだ。
国際物流総合展2024の会場では、レンタルパレットと通常のパレットの両方を扱うサンコーのブースにはたくさんのパレットが並べられていた。T11でも素材や目的によっていくつもの種類が用意されている。
使い捨てのワンウェイパレットであれば木製でも樹脂製でも作りは華奢で重量物を持ち運ぶようにはできていないのは見ただけでわかる。
ワンウェイであれば中古パレットを使う、という手もあるようだ。リースアップしたパレットや一定期間使って企業が新品に入れ替えたパレットを買い取り、中古パレットとして販売しているからだ。
会場内を歩いていたら「新古品」という表示の木製パレットを見つけた。これはどういう意味なのかブースを展開していたパレットメーカー、シーエスジャパンの説明員に尋ねてみる。
「パレット自体は未使用品なんですが、オーダーを受けて製作、輸入したものがキャンセルになって長期在庫となってしまったことから、新古品として販売することにしたんです」とのこと。なるほど長期在庫の木材だから、新品とは言わず新古品としているらしい。
通常よく見かける木製パレットはワンウェイの使い捨てが多く作りが華奢だが、よくみるとこちらの木製パレットは造りもガッチリとしていて、重量もずっしりとしている。
「インドネシア産の南洋材を材料にしているので、重いんです。それに造りもしっかりとしているので耐久性も通常の木製パレットとは比べ物になりませんよ」。
確かにひとりでは持ち上げることも難しいほどズッシリとしており、造りも丈夫そうだ。ワンウェイの米杉やカラ松などの軽量な木材とは異なり、表面も硬くしっかりしている。
ここまでしっかりとしているとパレットとしての使い方以外にも、オーディオ機器を置く台など別の用途にも使えそうな気さえしてくる。そう考えたら、この新古品の南洋材パレット、T11サイズで3200円と激安だから、色んな人にお勧めできそうなアイテムだ。