旧車を愛するドライバーは多い。その魅力はとても語りつくせるものではないが、
- ダサカッコいいデザイン。
- ノスタルジックな雰囲気。
- 機械臭さ。
- 幅広い改造の余地。
- 豊富な改造パーツ。
- 運転をしているという実感。
などといったところであろうか。こういった特性に惹かれて、旧車マニアとなった芸能人も多い。伊藤かずえ(日産Y31シーマ)・唐沢寿明(トヨタ2000GT)・ロッチ中岡(いすゞ117クーペ)・千原ジュニア(日産グロリア1964年式)などがその代表といえよう。
トラックでも同様に、旧車の需要が伸びているのだそうだ。人気があるのは、
2代目日野レンジャー
ジョヴァンニ・ミケロッティ(イタリア)がデザインした1969年モデル。
3代目日野レンジャー
「風のレンジャー」と呼ばれる1980年に登場したモデル。とくに人気が高いのは、マイナーチェンジでヘッドライトが丸4灯から角4灯に変更されたタイプで、「シャッターグリル」と呼ばれる横スリットの新造形フロントグリルが好まれている。
3代目三菱ふそうキャンター
1973年に登場したフロントグリルが特徴的な「Vキャンター」。
4代目三菱ふそうキャンター
1978年に登場した黄土色がイメージカラーという特徴を持つ「黄金キャンター」。
5代目三菱ふそうキャンター
1985年に登場した異形角2灯のヘッドランプが魅力の「角目キャンター」。
などで、これらは誰もが認めるラインナップであろう。これに対して、希少性の高い珍しいものとしては、初代マツダタイタン(1971年)・3代目日産キャブオール(1976年。同年登場のプリンス3代目クリッパーと1979年登場の日産ディーゼル・バイソンは兄弟車)などがある。
これら旧車トラックはインターネットの検索サイトで調べたり、こういった車輌を専門に扱う中古事業者を訪ねたりするのが、一般的な探し方だといえよう。また、近年ではオークションや、個人売買サイトを利用するという手段もよく使われている。いずれの方法を使うにせよ、買い取るにあたって主に以下の点をチェックしておく必要がある。
- 走行距離。
- 内燃機関・駆動システム・電装機器などの状態。
- どのような場所で何を運んでいたか(雪国走行・山道走行・海辺の走行・重量物の運搬などといった使用条件により、車輌の状態やチェックするべきポイントを把握しやすい)。
これらは購入を判断するときの材料になるだけではなく、購入後に発生する問題点を事前に把握することにも役立つ。
旧車トラックを入手すれば、イベントなどで自慢のタネになることは間違いないが、同時に様々な問題点を抱えることにもなるのだ。それは、メンテナンスの問題である。旧いトラックだけに、故障はつきものといっても過言ではない。旧いイタリア車マニアは、「いつ故障するかわからないところも愛おしい、というぐらいクルマを溺愛しているそうだが、旧車トラックにはそれに近い覚悟が必要だろう。
もし、故障が発生して部品が必要になっても、新品は手に入らないなどということもある。仲間同士のコミュニティには積極的に参加し、部品の入手ルートや故障しやすい箇所に関するメンテナンスなど、車輌の情報を得る努力も大切だといえよう。旧車トラックは魅力的ではあるが、古いがゆえに扱いにくい部分も多い。しかし、そういった負の部分も含めて好きになることが、旧車トラックを所持するためには必要なのだろう。