【トラックの魅力2024】トラックがもつ強みはどれも同じじゃない!  最新小型トラックたちがもつ魅力を解説

いすゞエルフミオ 外観

最近は大型トラックの比率が上昇中だが、街を走る小型トラックの数も相変わらず多い。これは物流以外の建築業など材料や道具を運ぶ用途といったような様々な職種で利用され、活躍している。

いすゞは昨年、小型トラックのエルフをフルモデルチェンジしたが、その目玉は新型変速機の9速DCTと先進安全装備の採用だろう。デザインにもこだわっている同社だが、今回は大胆なフロントマスクを採用しただけでなく、インテリアも乗用車に近づけてステアリング径を小さくして、より街中で運転しやすい仕様に仕上げている。このあたりは乗用車から乗り換えても違和感が少ないことが、ユーザーに好評だ。

ミッション展示

先進安全装備の充実はクラッシャブルゾーンの少ない小型トラックにとって、非常に安心できる装備だが、高度すぎるがゆえに軽い衝突事故でもフロントパネルの交換などでミリ波レーダー装置の脱着などが必要になれば、交換費用は大きく上昇するというデメリットもある。

直近では新普通AT限定免許で運転できる、さらに小さな「エルフミオ」を発売。平ボディで1.3トン積みは、バンボディにしたら実際何kg積めるのか、など否定的な意見も聞こえる。しかし軽トラックからのステップアップというよりトラックドライバーへの抵抗感をなくして準中型トラックへの足掛かりにするのが目的でもあるから、本格的な仕事には物足りないのも仕方ないようにも思える。

いすゞエルフミオ キャビン

とはいえ、キャビンが広々としたスペースキャブも用意され、快適性を重視しているのも好感が持てる。「誰でもトラック」がどこまでトラックドライバー不足解消に役立てるか、期待しながら見守りたい新型トラックだ。

日野の小型トラック、デュトロはハイブリッドをいち早く設定したことでも話題になった小型車だ。トヨタグループということでハイブリッド技術(といっても実は最初にハイブリッドを実現したのは日野自動車だが)には優位性を感じさせる。

日野デュトロ

EVのデュトロZEVは宅配専用車とも言える超低床のFFトラックだが、今後はさまざまな用途で街を走る姿が見られるようになるかもしれない。昨年、2トン積みをマイナーチェンジして安全性能などに磨きをかけている。最近は1.5トン積みも登場させて、顧客の要望にきめ細かく応える姿勢を見せている。

兄弟車のトヨタ・ダイナは1トン積みで新普通免許でも運転できる仕様としているのに対し、総重量3.5トン超えとなる1.5トン積みは「それほど重量物を積まないが力のあるトラックが欲しい」という層と、「車輌が軽量で価格も安いことから2トン積みより好む」層を想定しているのだろう。

三菱ふそうのキャンターも長い伝統をもつ小型トラックだ。現行モデルはこれまでの3台の中で最も旧い2010年のデビューながら、デュアルクラッチ方式のAMTを採用し、燃費と利便性、快適性を兼ね備えた、乗用車に近い小型トラックらしい仕様となっている。最新の2020年モデルではデザインが一新されて、新しい三菱ふそうのアイデンティティであるブラックベルトデザインがフロントマスクに採用されて精悍さを高めている。さらに先進安全装備が充実化されている。

三菱ふそう eキャンター

EVの「eキャンター」など、ダイムラートラックグループと三菱、双方の技術を併せ持った電動トラックをラインナップするのも魅力だ。

UDトラックスは日産ディーゼル時代を経た黄金時代を考えると、現在の状況はちょっと寂しい限りだが、ブランドが残っていてメンテナンスなどを受けられるからまだいい。小型トラックに関してはいすゞからOEMでエルフの供給を受けてカゼットの名で販売しているため、顧客には対応できているが、旧くからのファンにとっては日産ディーゼル時代のコンドルが懐かしいのではないだろうか。

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