トラックのウイングボディは側面からフォークリフトでパレットを積み降ろしできるので、作業が短時間にできる、日本の架装メーカーが生み出した画期的なボディだ。
最近はバースも増えてきて、後部扉からフォークリフトごと乗り入れて積み降ろし作業するところも増えているが、ウイングボディを使って側面から積み降ろししているところもまだまだ多い。工場や小規模な倉庫ではバースにする必要性はないから、これからもウイングボディは重宝されていくことだろう。
しかし特に積み降ろしの場所によっては、スペースが狭くてウイングを片側しか開けない、なんてケースも少なくない。その場合、手前のパレットはフォークリフトで積みい降ろしできても、奥側のパレットまではフォークの爪が届かない。その際にパレットを引っ張り出すとなると、通常はハンドリフト(ハンドパレット)などを使うものだが、これは横幅の狭いトラックの荷台で引っ張り出すには使えない。こんなとき、従来なら片側の荷物を積み降ろししたら、トラックの向きを入れ替えて反対側の積み下ろしを行なう、なんて作業になってしまう。
そんな煩雑な作業を効率的にしてくれる新兵器がパーマンコーポレーションから発売された。コロ付きパレット引っ張り棒は、パレットを荷台の奥から引っ張り出すための道具だ。見た目はシンプルで華奢な印象だが、パレット上の荷物300kgまでの重量に対応し、木製だけでなく樹脂製のパレットにも使える。なかなかの優れモノなのである。
仮にパレットに差し込んで引っ張ったとしても荷台の縁までもってきたら、ハンドリフトを外すスペースがなくなってしまう。その点、このコロ付きパレット引っ張り棒なら、本体が軽量コンパクトなので、パレットを手前に引っ張り出したらパレットから引っ張り棒を外すのは簡単だ。
パレット全体を持ち上げて運ぶのではなく、手前側だけを引っ掛けて浮かせて引きずることで、奥行きのないスペースでも使うことができるのはアイデア賞ものだ。特に樹脂製のパレットは摩擦力も少ないので、引きずる力が少なく(もちろんパレット上の荷物の重さ次第だが)てすむ。
パレットを引っ掛けるツメの長さや棒の長さなどが絶妙にバランスされているからこそ、作業性の高い道具とすることができたようだ。コロの位置を変えることでパレットの高さに合わせる調整も可能になっている。
従来ならトラックを方向転換して反対側のパレットを積み降ろしする必要があるが、このコロ付きパレット引っ張り棒を使えば、それほど力も使わずに手前に引っ張り出すことができるのだ。
荷積みの際にも手前にフォークリフトで載せて、反対側に回ってパレットを引っ張ることで奥までしっかり荷積みができる。反対側のウイングは開けるが裏側までフォークリフトが回り込めないようなシーンではかなり有効だ。
トラックに1台積んでおくだけで、荷降ろし作業がスピーディになること間違いなし。価格もリーズナブルなのも魅力だ。