
トラックドライバーは運転するのが主な仕事だ。しかし長時間仕事をしていれば、運転だけをしていれば済む訳ではない。運転4時間ごとに30分の休憩を取ることが義務つけられているし(罰則はないが)、人間だから食事やトイレなどの必要も出てくる。だがトラック、特に大型トラックは停める場所が限られるだけに休憩場所も限られるのだ。トイレにさえ不自由しているトラックドライバーが少なくないことも、ある程度知れ渡っている。それは幹線道路などに投げ捨てられている、黄色い中身の入ったペットボトルが問題になっていることは広く知られている。ペットボトルに排尿しているのは仕方ないとしても、中身をトイレに流して洗って廃棄しなければ、トラッカーのイメージや立場が悪くなってしまう。女性ドライバーをもっと増やそうと思ったら、ドライバー一人一人のこうした心がけも必要になってくる。
それにしても原因はトラックドライバーが休憩をキチンと取れないことなのだ。トラックドライバーの休憩施設として真っ先に挙げられるのが高速道路のSA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)だろう。高速道路網には休憩場所や給油施設が必要だ。ということは当然、トラックを走らせるドライバーに対応する施設や設備が充実している。一部のSA/PAには宿泊施設や入浴施設が併設されていて、一般ドライバーももちろん利用できる。

しかしSA/PAは高速道路上にしかない。一般道ではスーパー銭湯や日帰り温泉は乗用車用ばかりで、なかなかトラックが駐められるところはない。こうした情報はスマホナビアプリのナビタイムのHPに全国の温泉/温泉浴場(大型車対応)(https://www.navitime.co.jp/category/0604001/?tags=000050)というコンテンツもあるので、こちらを利用するのが便利だ。
トラックステーションはかつては全国に40箇所も存在したトラックドライバーのオアシスだった。駐車スペースやトイレだけでなく、食堂や入浴施設を備え、すぐ隣にはガソリンスタンドも併設されているから、給油と休憩を連続して済ませることができる便利な拠点だ。しかし現在は残念ながらトラックステーションは減少傾向にあり、現在は33拠点となっている。
地方の幹線道路にあるコンビニは大型トラックの需要を見込んで、広い駐車場を確保してくれているところが多い。24時間営業なら深夜でもトイレは使えるし、食事も確保できる上にSA/PAよりコスパがいいのは嬉しい。道の駅もこのところ増殖著しい休憩施設だ。大型車用のパーキングも確保されているところが多く、決して観光客だけを相手にしている訳ではないことが分かる。温泉など入浴施設を併設しているところも多い。コンビニと道の駅は、トラックステーションの代替施設と考えることもできる。またガソリンスタンドでレンタルシャワーを併設しているところもあるので、それと組み合わせて工夫しているトラックドライバーは多い。
しかし荷待ち時間が長い割に時間厳守だったりするので、結局荷降ろし場所に近いところで休憩して待つしかないことも多いのが難しいところだ。
