【物流2024問題】高速道路料金を払っているのに、駐車スペース不足で有料パーキング新設っておかしくないか?

 サービスエリア(SA)/パーキングエリア(PA)の駐車コマ不足によってトラックドライバーが休憩できない状態が続いている。駐車エリアにトラックを停められないドライバーが、ランプの路肩にまではみ出して停めざるを得ない光景が珍しくない。高速道路のSA/PAを有効に活用したい。高速料金を払って利用しているのだから、トラックを停めて休憩する権利は当然あるハズだ。一般道では停める場所を探すにも苦労する大型トラックやトレーラーにとって、SA/PAは数少ない落ち着いてくつろげる場所なのだから。

 一般道でもダメだとは思いつつ、アンダーパスなどの合流区間にあるゼブラゾーンや広い車線の路肩などに路上駐車して時間調整や休憩しているドライバーを見かけることは珍しくない。高速道路では長距離運行のために一定間隔で休憩が取れるよう、SA/PAが整備されている。トラックドライバーは4時間運転したら30分の休憩が義務つけられ、13時間働いたら9時間は連続した休憩を取らなければならない。長距離便のドライバーは高速道路を走り続けるから、こうした休憩をSA/PAで取る必要があるのだ。しかし最近のトラック輸送の取り扱い荷物量の増加による大型トラックやトレーラーの増加により駐車スペースは不足気味だ。そのため前述のようにSA/PAの駐車エリアからハミ出して、出入り口付近の路肩に駐車しているケースも目立つ。 

 休憩が義務つけられているからやむを得ず、そうした行動をとってしまうドライバー。高速道路を管理運営するNEXCO各社はこうした事態を重く見て、対策に乗り出している。そのひとつが駐車スペースの増設だ。NEXCO3会社では、高速道路の休憩施設駐車場について、2018年度から継続して駐車マスの拡充・レイアウト変更を進め、これまでに約3,700台分の大型車駐車マスを増設してきた。2023年度は既存エリア内での小型車マスから大型車マスへの描き換え等により、全国49箇所のサービスエSA/PAにおいて、大型車マス約630台の拡充をしている。2024年度には全国34箇所のSA/PAにおいて約560台の大型車駐車マスの拡充がされる計画だ。これにより1000台分の駐車スペースが生まれ、1日に5000台前後のトラックが駐車できるようになると思われる。今後は、休憩施設以外の高速道路事業用地などを活用した大型車専用駐車場の設置や駐車マスの立体構造化、複数縦列式(コラム式)駐車場の導入を進める計画だ。


しかしこの大型車専用駐車場の設置については、東名高速・豊橋PAの下りのみ深夜は有料になっていることに違和感を感じる。午前0時から3時までの3時間だけではあるが、中型/大型トラックは最初の60分は無料だが、その後は15分ごとに60円の料金がかかる。つまり午前3時まで駐車すると480円の料金がかかり、定期利用では月額1万円となっている。現在、導入が進んでいるダブル連結トラックについても駐車スペースは増やされているが、この豊橋PA下りのみやはり有料で、午後8時から翌日の午前5時までは15分ごとに125円(最初の60分は無料)で定期利用は2万円となっている。しかも予約が必要なのだから、定期便で何もハプニングが起きないことを前提としているシステムなのである。高速道路の利用料金を徴収するのだし、他のSA/PAは無料で停められるのだから、この施策はちょっとおかしい。


 物流を支えるトラック輸送は高速道路にとってお客さんであり、日本の経済を支える相棒とも言える存在ではないのだろうか。そもそもトラックは乗用車より高い高速料金(割引制度もあるが)を負担しているのだ。新たな駐車場の建設費は、高速料金の収益から捻出すべきだろう。

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