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いわゆる「物流2024問題」でトラックドライバーの残業時間が削減されて、トラックの稼働時間が減り、結果として物流のスピードは急減速。翌日配送を謳っていたネット通販もトーンダウンしているところも出てきた。
残業時間が限られ、トラックドライバーも減っていくなかで物流の絶対輸送量は低下していくのは当然だ。しかもドライバーはいろいろな規則にがんじがらめになっている。
そのひとつが、運転中にも休憩の取得が定められていることだ。4時間の運転ごとに30分の休憩だから、430休憩と呼ばれる規制がある。長時間の連続運転による過労で居眠り運転や体調急変などの危険性が高まることを防止するための安全策だ。いわばドライバーのために、事故防止を目的に定められているものだ。
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そもそも一般のドライバーには4時間の連続運転だって、かなりの負担だ。カーナビなどは運転2時間ごとに休憩を勧めてくる。だがトイレ休憩すら満足に取れないトラックドライバーにとっては、逆に4時間ごとに30分間の休憩を取らなければいけないのは、運行の足枷になっている。10分単位で2回まで分けることがルール的にはできるが、それではかえって走行ペースが上がらず時間の無駄になる。
なによりも安全を最優先しなければならないのは当然だが、付帯作業などは運転時間には入らないので、2、3時間付帯作業をした場合、4時間連続で運転すると7時間連続での業務となってしまう問題がある。2024年4月の改正で30分の休憩時間中には付帯作業は行わない(休憩に含めない)と明記されたのだが、付帯作業をしてから運転する場合は、この規制の対象外となるため連続して業務が長時間化してしまう可能性がある。
そもそも付帯作業はトラック事業者にとってサービス残業のような位置付けで、荷主に代金を請求することが難しかったということが背景にある。残業時間が削減されたことで荷主側も荷待ち時間の縮小を図っているという情報も増えてきた。
とはいえ、付帯作業や荷待ち時間も有料化することが国交相のガイドラインで定められているが、まだ罰則がないこともあって、契約外の荷待ち時間や付帯作業を無料奉仕させている荷主も少なくない。
そんな実情から考えるとドライバーの休憩を強制的に取らせるよりも、労働時間を削減するために無駄な荷待ち時間を減らす方が先決だろう。
現在のところトラックGメンが違法な契約や付帯業務の押し付けなどがないか、聞き取り調査などでチェックしているが、すべてをカバーできるわけではないのが現状だ。しかもまだ罰則があるわけではなく、是正勧告しか出せない状況では強制力はないに等しい。
それでもコンプライアンスを重視する大手荷主企業では、荷待ち時間の改善に着手しているところも増えてきた。結局は荷主の担当者次第という印象だが、中小のトラック事業者にはドライバーを確保するためにも待遇を改善する手段として、値上げや荷待ち時間の短縮、付帯業務の有料化などの交渉を荷主側とドンドン行なうべきだ。
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