トラックが好きでトラックドライバーになったけど、意外と稼げない。運転が好きだから、ドライバーの仕事でもっと稼げる仕事はないだろうか……。そう考えているトラックドライバーは少なくないのではないだろうか。
クルマの運転は向き不向きがあるように、運転に向いている人であれば運転してお金を稼げる職業はストレスが少なく、楽しく仕事がこなせるだろう。
真っ先に浮かぶのはタクシーだろう。トラックと並んで運転を仕事にするプロのドライバーとして相当な数を誇る職業だ。
トラックとの違いは、乗客を運んで料金をいただくという「旅客運送」なので二種免許が必要なことだ。二種免許の取得はそれなりに運転スキルを要求されるが、大きなトラックを自在に操っている大型トラックドライバーであれば、なんてことないレベルのはず。比較的短期間で二種免許を取得することができるだろう。
ちなみに大型免許の取得条件が平成4年に緩和されたように、普通二種免許の取得も年齢制限や普通免許取得後の経験などの条件が緩和された(特別な講習を受ける必要はある)。また二種免許を取得していなくても仕事に就けるが、二種免許を持っていた方が有利な仕事も多い。その代表的な例が運転代行のドライバーだ。
お客のクルマを運転代行する際には二種免許が必要となるが、随伴車(運転代行業者のクルマで、2名で乗車し、代行中は残る一人が運転して随伴する)を運転するならば二種免許は不要だ。当然のことながら二種免許所持者と普通免許のみでは報酬などは変わってくるが、仕事に就きながら二種免許を取得することも可能だ。
二種免許だけでなく、介護関連の資格も取得すれば介護タクシーという特別なタクシーの運転手になることもできる。これは乗降時に介助が必要な身障者や車椅子利用者をサポートして病院や日常的な買い物などの送迎や介助を行なう。通常のタクシーと異なり、予約制のため働きやすい環境とも言える。収入は通常のタクシー運転手の方が高い場合もあるだろうが、安定しているのは介護タクシーの方だ。
普通免許しか取得していないが、ドライバーとして仕事がしたい、というなら回送ドライバーという職種もある。これは主にレンタカーを運ぶもので、乗り捨てなどで借り出したレンタカー店舗と返却した店舗が異なるサービスに対応するもの。
普通免許で1台ずつ運転して回送するため、収入としてはそれほど多くはないが、比較的簡単な作業で、運転にさえ気をつければ誰でも仕事に就くことは可能だ。レンタカー以外にも新車や中古車などを運ぶ仕事もある。
大型や中型免許を取得していれば、キャリアカーなど複数の車両を運ぶ仕事に就くこともできる。準中型免許でもセフティローダー(1台積みのキャリアカー)は運転可能なモデルは多い。
さらにドライバーの仕事はトラック以外でもまだまだたくさんある。今後はライドシェアなど、スキマ時間に働けるような副業も整備される可能性が出てきた(現時点では制約ばかりで、成り手が少ないのが現状だが)。ドライバーとして働ける環境はまだまだ広がりつつあるのだ。